AOTSジャーナル22号
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習熟度・スキル向上に高い効果本社での指導風景インドネシア研修生(前列中央2名)を囲む本社工場スタッフインドネシア工場たと思います。また、研修生を受入れたことで本社との人間関係も構築出来たため、研修生に対して専門家指導に加え帰国後の本社からのフォローも十分にあったことも良かったと感じています。インドネシア研修生の成長はもちろんですが、受入れた日本側の指導者が専門家として継続した支援を行うことで、指導者自身の成長やモチベーション向上も確認できました。インドネシア研修生の受け入れはいかがでしたか? 今回初めて受入研修を利用されましたが、どのような準備をしましたか?日本人向けマニュアルに写真や図を増やし一部社内翻訳をかけるなど、資料を改訂して研修態勢を整えました。もともと専門性・技術力の高い研修生を人選しており、技術習得に問題なく達成度も高かったと思います。1名は日本語の素地があり、もう1名も理解がはやく、日本語であってもゆっくりと伝達することで問題なく研修が進みました。J6W参加の効果はもちろんのこと、来日前のJLTC(AOTS日本語研修センター)のオンライン学習も役に立ちました。受入部門であるケーブル部ではクイズ形式でインドネシアに関する異文化理解の講習を実施しましたし、日本人側もインドネシア語を勉強するなど相互歩み寄ってコミュニケーションを行いました。AOTS JOURNAL3まずは日本で指導(受入研修)新規工程の技術習得(撚り線工程、押出工程)研修生帰国後、現地で指導(専門家派遣)・敢えて製造条件から外れた設定で製造し不良品を再現する「いじわるテスト」 →条件管理の大切さ、不良品が発生した際は異常個所がどこなのかに気付ける技術力を身に付けさせる 【指導先企業の感想】 OJTの指導により、保全スタッフが設備保全の方法やその重要性について、より理解を深めることができました。特に設備や製品の異常「気づき」には五感がポイントとなります。五感はインターネットを介してでは教えられないため、実際の現場での「気づき」の指導はとても有意義であり、重要と感じました。指導内容の例・OJTで作業教育を実施し、実際の生産方法に順じた作業標準マニュアルや品質確認チェックシートを研修生と共同で作成現在はベトナムからも初めての研修生受け入れを行っているそうですね。どういった内容でしょうか? 2022年のベトナム法人への専門家派遣では、内製しているコントロールケーブルの構成部品(金具部品)の安定した生産体制の確立のため、量産工程では現地初導入となるNC旋盤加工技術の指導を行いました。指導によりNC化が実現し品質面、安全面が向上することにより不具合品の削減につながりました。以前は半自動機や手作業機械がメインだったので、切削品の回転速度があわないと不良になっていたものが、NC化することで不良率が下がるからです。 その一方で、24時間稼働している現地の製造工程では、設備がひとつ壊れても生産が遅れてしまうので、社内で保守保全のできる人材が今後必要だということになりました。そこで現在、自動加工ラインのオペレーション習得及び設備保全能力の向上を目標とし、2023年(J6W参加後)12月から6ヵ月の実地研修を行っています。    現地法人初の製造設備導入に向けたインドネシア法人の人材育成

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