AOTSジャーナル22号
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ベトナム工場本社工場本  社:静岡県浜松市本  社:静岡県浜松市本  社:静岡県浜松市本  社:静岡県浜松市本  社:静岡県浜松市海外拠点:中国、ベトナム、インドネシア創  立:1944年資本金:6,000万円従業員数:336名(2023年1月時点)事業内容:コントロールケーブル等の製造・販売2024 SPRING No.22やまと興業株式会社は二輪、四輪用部品を中心とする製造業で、国内60%のトップシェアを保持する二輪用コントロールケーブルの製造の他、パイプ加工、超硬合金等の金属製品、樹脂成型、製造設備・治具、さらには素材部品の製造技術を応用したLED製品など、新たな事業への取り組み、独創的・多角的な製品の製造・販売を行っています。本号では同社がベトナム・インドネシアの生産拠点の人材育成のため、受入研修と専門家派遣の併用を行った事例をご紹介します。2御社はベトナムの生産拠点の生産性向上や工程管理、製造設備の更新などで約15年前から専門家派遣事業をご利用ですが、これまではどのような指導を行っていたのでしょうか? 弊社は日本国内市場が縮小傾向となる中で二輪車メーカーの海外市場拡大に伴いASEAN市場を視野に2008年にベトナムに進出しました。2009年にJODC(当時)の専門家派遣制度を利用して日本本社からの指導者を現地法人に派遣しました。その後も外国企業の競争先の台頭が激しさを増す中、安定した生産体制の構築や高品質の製品供給のため、生産性向上、工程管理の改善、製造設備の更新などを目的として専門家派遣制度を活用しました。インドネシア法人(2010年設立)での新規設備導入のため、受入研修と専門家派遣を組み合わせた人材育成を行うことになった経緯や成果について教えてください。 以前のインドネシア法人はベトナム法人で製造した仕掛品のアセンブリが中心でしたが、コロナ感染拡大によってサプライチェーンの途絶が発生したことから、インドネシア法人で独立してケーブルを一から製造できるよう、製造設備導入のための補助金を活用して設備投資することになり、インドネシア工場へストランドケーブルの製造設備を導入する計画を立てました。 それに向けて、まずは新規工程となる撚り線工程、押出工程の技術を習得させるための受入研修(J6W後、2023年2〜9月実地研修)を行い、研修生帰国後のタイミングで専門家を派遣し、新設設備(ストランドアウター撚り線機、ライナー押出機)の技術指導を行い(2023年10〜11月)、段取りから運用、保全までを一貫して行える人材育成を目指しました。研修生受入れから専門家派遣の一連の流れで制度活用させて頂き、高い効果が確認できました。専門家派遣前に半年間の来日研修を行った研修生を軸に現地への技術指導を行い、日本での研修から時間を空けずインドネシアでの指導を行ったので、習熟度、技能スキル向上における効果は高かっものづくりは人づくり―日本と現地(ベトナム・インドネシア)での人材育成を通じ、アセアン市場へ更なる躍進やまと興業株式会社

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