チェンナイ同窓会によるビジネスマッチングベトナム同窓会との実施後検討会AOTS JOURNAL9 令和5年度にAOTSが経済産業省から受託して実施した「技術協力活用型・新興国市場開拓事業(制度・事業環境整備事業)」の一つで、新興国現地企業との協業による社会課題解決ビジネスに取り組む日本の中堅・中小企業の支援を目的とする「グローバル価値共創事業(JECOP)」においては、ベトナム、タイ、チェンナイ(インド)各同窓会がAOTSと協力して事業を実施しました。3カ国において共通する社会課題であるフードロスに対し、日本企業のソリューション提供により現地の食品物流・加工・消費等関連市場への参入を図る事業で、現地の社会・関連市場の状況、日本企業のニーズや商習慣について知見を有する双方の橋渡し役となる現地コーディネータを育成し、日本企業と現地企業とのビジネス交流を実施しました。日本企業のビジネス機会創出と現地社会や関連市場における課題解決への寄与が期待されます。この際、上記3同窓会は適切な現地コーディネータ候補の募集、現地政府関係機関や産業団体との関係構築、本事業に興味のある現地企業の紹介の他、研修コース実施のための各種手配等まで連携、協力を行いました。 海外で事業を行う場合、日本政府の関係団体や日系コンサルティング企業等を通じて現地にコンタクトが可能ですが、各国の各分野の有力者を会員に有するAOTS同窓会を通じて、より広範なネットワークを活用して、現地政府、関係団体、企業等にコンタクトすることが可能になります。 このようにAOTSは、各国の政府、企業等との関係構築や現地研修の参加者募集が求められる案件においてはAOTS同窓会と連携し、そのネットワークを活かして事業を実施しています。また、同窓会同士の連携も強く、地域内の複数の同窓会と有機的に連携することで地域全体を対象とした事業の成果を更に高めることができる可能性があります。AOTSの重要な海外リソースであるAOTS同窓会との連携と協力をこれからも継続、深化させて行きたいと考えています。AOTSは1959年の創立以来、20万人に上る研修生を約180ヵ国・地域から招聘して研修を行ってきました。これまで本誌でもお伝えしている通り、これらの研修生は帰国後自発的に「AOTS同窓会」を結成し、各国・地域における代表的な親日・知日家による非営利法人として、会員間の親睦のみならず日本語や日本文化の普及、会員が日本で学んだ企業管理技術等の教育事業を実施しています。これら同窓会は現在45ヵ国・地域において計74ヵ所に存在し、各地における事業パートナーとして、AOTSにとっても重要な海外ネットワークとなっていますが、今回のAOTSジャーナルでは一部の同窓会がAOTSが経済産業省から委託・補助を受けて実施する事業においても、海外協力団体として活躍している様子をお伝えします。「制度・事業環境整備事業」実施 におけるAOTS同窓会との事業協力AOTSニュースAOTSニュース
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