AOTSジャーナル21号
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株式会社ベルテクノ(親会社)エントランス2023 AUTUMN No.21Beltecno India Private Limited(インド法人)ステンレスタンクの製品例本  社:岐阜県美濃市本  社:岐阜県美濃市本  社:岐阜県美濃市本  社:岐阜県美濃市本  社:岐阜県美濃市本  社:岐阜県美濃市事業内容:ステンレスタンクの製造・販売株式会社ベルテクノプラント工業は、親会社である株式会社ベルテクノが設計・販売を担当しているステンレスタンクの製造を行っています。軽量・高強度・高耐食かつ加工しやすく、衛生的にも優れ、リサイクルしやすいといったステンレスの特徴を活かした製品づくりで、超大型配水池から小型貯水槽まで様々な製品を手掛けています。今回は2022年に親会社のインド法人であるBELTECNO India Private Limitedに6ヵ月間の専門家派遣を行った人材育成の事例をご紹介します。2AOTSの人材育成制度を利用した背景とねらいを教えてください。 今回の指導先企業はインド・ニムラナの日系工業団地にて2015年より操業を開始し、インド国内・近隣諸外国向けのステンレスタンク製造を行っているグループ企業です。ステンレスタンクの競合先はインド国内にも存在しますが、派遣先企業製品の優位性は、タンクの大きさをお客様の要望に合わせてカスタマイズ出来る事と、全溶接型である事です。特に、大きなサイズのステンレスタンクを作る場合、どうしても鋼材が厚くなってしまいますが、当該製品はパネル形状で軽量化に成功しています。 インド市場ではこれまでステンレス鋼材の厚さ5−6mmのタンクが主流でしたが、インド法人では、新たに厚さ2−3mmの製品の製造に取り組んでいます。これにより従来製品よりも軽量化が可能となる一方で、製造にはより高度な溶接技術習得が必要となりますので、薄板のための半自動溶接機を使ったTIG溶接技術(※)を中心とした薄板ステンレスタンク製造の技術指導者を派遣することになりました。 専門家にはステンレスタンクを生産する上での、基本的な技術(溶接・組み立て・検査)についての技術移転はもとより、日系企業としての品質への拘り、安全・清潔を意識した工場運営の指導に注力するよう要請がありました。指導の内容や人材育成の成果について教えてください。 先ず、指導対象者に対し、各種溶接の技術については全てできるようになることを目標として取り組み、その上で、派遣期間中に溶接の種類と特徴を覚えるまでを到達すべきレベルとしました。また、組み立てについても同様で、先ずは工程の全容を理解させ、先を見据えた段取りまでできるようにしました。検査については、日系企業の求める仕上げのレベルを実際に見せて覚えさせ、その後、実地作業にて体験として身に着けさせることを考えていました。※TIG(タングステン・イナート・ガス)溶接「アーク溶接」のひとつで、従来は溶接しにくかったアルミやステンレスのような金属でも手軽に溶接することが可能。異文化理解の壁を越え、   インド市場で喜ばれる製品づくりを株式会社ベルテクノプラント工業

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