2021年12月に開催した第2回日アフリカ官民経済フォーラムでは、ケニアの製造業高度化を目的とした「Industry 4.0」に関連するセミナーを実施する等、日本・ケニアの両国が協力して推進していくことを確認しました。これまでの取組 2022年5月、ケニア産業・貿易・企業開発者(当時)幹部、ケニア製造業協会及び企業経営者11名をタイに招聘し、タイでの先行事例を活用した研修を実施しました。ケニア関係者に製造業におけるIoT導入のメリットを理解してもらうとともにタイ政府や工業会等の果たしている役割を紹介し、今後のケニアでの事業計画及び方針等の検討を行いました。次に、2022年10月、ケニア投資・貿易・産業省幹部局担当者、ケニア製造業協会及び企業エンジニア14名をタイに招聘し、第2弾の第三国型研修を実施しました。第2弾では、主にエンジニアを対象とし、セミナー及び演習を通じて、ケニア製造業へのIoT導入に向けた具体的な技術習得を目的としました。 2022年度においては、上記第三国研修実施のためにタイに2回専門家派遣を実施するとともに、ケニアにも計2回の専門家派遣を実施しました。ケニアでの指導では、現地製造業4社をモデル企業に選定し、IoT導入のトライアル指導を行いました。また、現地企業の経営層に日本式ものづくりの考え方を紹介するセミナーや、第三国研修及びトライアル指導の成果共有を目的とした普及セミナー等を実施し、ケニア製造業への普及啓発に取り組んでいます。グループワークの様子▶第2回日アフリカ官民経済フォーラムの様子ケニアからタイへの訪問プログラム(2022年10月/5日間研修)日本からケニアへの専門家派遣(2023年2月/10日間指導)Step1日本からケニアへの専門家派遣(2022年2月/10日間指導)ケニアからタイへの訪問プログラム(2022年5月/5日間研修)Step2日本からケニアへの専門家派遣(2022年6月/8日間指導)Step3Step4Step5日本からケニアへの専門家派遣日本からタイへの専門家派遣タイでの第三国研修AOTS JOURNAL5<2022年度の取組>(1)第三国研修(タイ)(2)専門家派遣ケニアの産業人材育成プロジェクト(制度整備事業) AOTSでは、日本企業のケニア市場進出やケニア製造業の競争力強化を目的として、日本式ものづくりやIoT導入による製造業高度化への理解を促進し、その導入メソッドをケニアに移転することを通じてケニアの製造業人材の育成協力を推進しています。ケニアはアフリカ諸国の中で6番目に市場規模が大きいものの、現状の日本企業の拠点数は60社程度で、今後のアフリカ諸国の成長可能性を踏まえれば、日本企業の進出加速が急務となります。ケニアにおいて、製造業はGDPの10%程度であるものの、欧米系のロボット機器を導入するなどの購買意欲が高い傾向にあり、高価格であっても価値を理解した上での産業機器等の購入につながると予想され、今後ますます日本企業の産業機械・製造ソリューションサービス等を導入していく機運は高まると考えられます。また、ケニア政府としても、製造業高度化を後押しする方針を打ち出しており、政策としても重点分野の一つになっています。 また、AOTSでは、経済産業省とタイ工業省との協力に基づき、ケニアに先駆けて、タイにおいて製造業でのLean Automation System導入のための人材育成事業を行っています。タイでの先行事例を参考に、経済産業省及びケニア投資・貿易・産業省の協力を得ながら、ケニア版Lean Automation System導入の準備を進めています。ケニア製造業のレベルアップを図るべく、ケニアの製造業人材育成協力を推進。人材育成の取組を通じ、ケニア企業にとっての日本のプレゼンスを向上させることで、ケニア企業と日本企業の連携も後押しする。
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