AOTSジャーナル20号
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・高いレベルの技術をアフリカで展開するには、日本と同等の設備設計・日本のものづくり、地域特有のニーズに応える製品開発の取組を普及する為に、アフリカで販売される空調機器の輸出拠点のインドに、アフリカの設計事務所・建築家等の経営者層を招待しました。また、並行してアフリカで課題となっている、粗悪品が蔓延る現状を改善すべく、環境に配慮した製品・サービスの講習、用途に応じた適切な空調機器選定など、技術研修も実施しました。製造・サービスメンテナンスの技術がすでに定着している、ヨーロッパやUAE・インドの人材を活用することが必要で、これにAOTSの研修等を活用させていただいている。こうした研修は日本の技術を伝えるだけではなく、アフリカの若い技術者がこれからの空調がどうあるべきかを考え、またリープフロッグの地域のビジネスニーズを我々が学ぶという利点もある。研修生人数:13名(アフリカ 5ヶ国から招聘)講師:ドバイから2 名、カメルーンから1 名派遣研修期間:5 日間2023 SPRING No.20 政策部部門別分析ユニット 研究官(元ABEイニシアティブ研修員)「未来人材のためにアフリカで日本が果たしていく産業人材育成とは」<モデレーター> 大野 泉氏 /政策研究大学院大学 教授<パネリスト>  宮武 正明氏 /ダイキン工業株式会社中東アフリカ地域支配人 兼 ダイキン中東アフリカ社取締役会長野呂 浩良氏 /株式会社DIVE INTO CODE 代表取締役安永 裕幸氏 /国際連合工業開発機関(UNIDO)本部 マネージング・ダイレクターBahaa Zaghloul氏/AOTSエジプト同窓会会長、中央冶金研究所(CMRDI-Egypt)名誉教授・前会長綿貫 大地氏 /有限会社Agri-Mission 代表Damas Euclide Noussi Metsakeu氏/カメルーン経済・計画・地域開発省 経済分析・ 2022年8月にアフリカのチュニジアで第8回アフリカ開発会議(TICAD8)が開催されました。AOTSはTICAD8の開催を契機として「アフリカプロジェクトチーム」を設置し、アフリカでの産業人材育成の取組を抜本的に強化、アフリカの産業人材2,000人への支援を目標としています。本記事では19号に引き続き、AOTSのアフリカ支援についてご紹介します。本記事は2022年8月に行われた経済産業省・AOTS主催によるTICAD8公式サイドイベント「アフリカで日本が果たしていく産業人材育成のあり方」(オンライン)でのパネルディスカッションでの発言ならびに事例紹介を基に構成したものです。サイドイベントの動画はAOTSのホームページにてご覧いただけます。https://www.aots.jp/news/application/2022-08-04/2同社事例:案件募集型海外研修(第三国型)〜TICAD8サイドイベント (2022年8月22日)パネルディスカッションより〜 日本側・アフリカ側双方の視点から、アフリカの産業発展のために今後求められる人材育成、必要な戦略・手法・行動、日本にどのような貢献ができるかについてディスカッションを行いました。登壇者からは、アフリカは若い人材が多く魅力的な市場であり「日本企業はもっとアフリカに入り、様々なアイデアをもって、ビジネスを展開していくべき」といった日本人のマインドセットを変えることが提唱されました。また日本に来て、学び、帰国し、日本とアフリカの国々をつなぐ人材の育成の重要性からAOTSに対し「アジアでの技術移転のように人を介した企業のニーズに即した研修だけではなく、アフリカのプライベートセクターと組織的な協力ができる枠組みの検討」などの提言がありました。 誌面に限りがあることから、本誌では一部の方の発言ならびに関連するAOTS事業の事例をご紹介します。宮武 正明氏 /ダイキン工業株式会社 中東アフリカ地域支配人 兼 ダイキン中東アフリカ社取締役会長・日本の製造業のアフリカ進出はまだまだ少なく、弊社製造拠点も未進出。日本の高い品質の基準を維持するには、日本と同等の技術を持った人材が必要である。また空調業界でいえばCO2削減への貢献も必要で、そのために高い設備設計技術・施工技術・サービスメンテナンス技術を持った人材を育成することが、喫緊の課題である。インドのトレーニングセンターでの講義・演習や同地の販売代理店の見学等、第三国型の特性を活用した研修を実施未来人材のためにアフリカで日本が果たしていく産業人材育成とは」      【サイドイベント パネルディスカッション】

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