AOTSジャーナル19号
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 2022年8月27日、28日にアフリカのチュニジアで第8回アフリカ開発会議(TICAD8)が開催されました。AOTSはTICAD8の開催を契機として「アフリカプロジェクトチーム」を設置し、アフリカでの産業人材育成の取り組みを抜本的に強化、アフリカの産業人材2,000人への支援を目標としています。 アフリカでは、2050年の人口が、現在の約2倍の約25億人に達すると予想されています。その結果、アフリカの人口が、全世界の人口の約25%を占めることになる等、その急速な人口増加により新たな新興国として注目されています。アフリカのGDP成長率は、アジアとも■色なく、かつての日本のように、高度成長期時代に突入しています。 このため、経済産業省では、今後3年間で5,000人のアフリカの若者に実践的なスキルの獲得に繋がる教育・研修の機会を提供し、拡大する人口ポテンシャルをアフリカの経済成長・雇用の創出・日本企業の現地展開につなげていくための「アフリカ 未来の産業人材イニシアチブ」を発表しました。 AOTSではこれまでに日本企業の個別の要望に応え、日系企業のアフリカ展開を直接支援する案件募集型研修と、現地ローカル企業および産業団体等からの要請に応えて日本企業の活動基盤となる現地ローカル産業・人材を育成する協会企画型研修を組み合わせて、アフリカ各国の産業人材育成に取り組んできました。アフリカにおける研修参加者数は、AOTS創立以来、総計1万2千人にも上りますが、成長目覚ましいアフリカの産業化を後押しするため、これまで行ってきた日本やアフリカでの指導・研修に加えて、アフリカの社会問題解決に適したサービス産業等に対する支援も行うとともに、第三国型研修及びアフリカの大学等への寄附講座の設置を推進します。 さらに、アフリカの実情に合わせた柔軟な制度運用を行うとともに、限られた資源の有効活用の観点からもJICA、UNIDO等の関係機関及び企業等とより一層連携することにより、オールジャパンでの協力を行うことで、日本のプレゼンス向上に寄与する等、アフリカでの産業人材育成を抜本的に強化します。2022 AUTUMN No.19上からAOTS桒山理事長、METI常葉審議官パネルディスカッション(オンラインの画像より)6 METI-AOTS主催 TICAD8公式サイドイベントの開催 2022年8月22日に経済産業省・AOTS主催のTICAD8公式サイドイベント(オンラインライブ配信)を実施しました。「アフリカで日本が果たしていく産業人材育成のあり方」をテーマに、日本企業がアフリカでビジネスを展開・拡大するために必要な産業人材育成とは何か、アフリカで日本が果たすべき役割は何かについて、日本側、アフリカ側双方の視点で考えることを狙いとして企画したものです。 基調講演者として政策研究大学院大学大野泉教授をお迎えしたほか、AOTS研修制度を利用した日本企業より具体的なアフリカにおける産業人材育成事例についてご講演いただきました。また、パネルディスカッションでは、様々な日本・アフリカ関係者をお招きして、それぞれの立場から、自身のアフリカにおけるご経験を交えながら意見交換をして頂きました。 日本から見た必要とされる人材或いは人材像、アフリカから見た日本式の人材育成の有用性と可能性、アフリカでの人材育成における日本による貢献の可能性、アフリカでの産業人材育成を加速させるために必要な方策、企業チャンネルを活用した人材還流の必要性などについて活発な議論がなされました。AOTSホームページの特設サイトにて近年の対アフリカ案件事例をご紹介しています。URL:https://www.aots.jp/other/support-for-africa/

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