AOTSジャーナル19号
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AOTSでは、国境を越える人の往来が制限される状況下、企業様の海外人材育成にどのように寄与できるか検討を重ね、一昨年度からデジタルツールを活用したオンライン研修など、従来にはないスキームをご用意してきました。 本年3月より国際的な人の往来が再開されましたが、今夏、日本ではまた感染が拡大している状況です。企業様においては、様々な事業活動の計画を立てづらい環境にあり、海外人材育成についても同様かと存じます。 現在、受入研修や専門家派遣による対面指導は可能ですし、オンライン研修もご活用いただけます。対面、非対面の研修や指導、それぞれの利点を生かし、目的に対して効果的、効率的な人材育成ができるよう御社の現状とご要望に応じて、適切なスキームをどのようにご活用いただけるかご案内させていただきますので、お気軽に企業連携部にご相談いただければと存じます。 AOTSではご利用企業各社における新興国の現地人材に対する研修や現場指導のオンラインでの試みにお役立て頂く事を目的として、ICTやデジタル技術を活用したオンライン研修/指導の導入に関するガイダンスを2021年より定期的に行っています。※ 今回の号では同ガイダンスにてご紹介しているツールを実際に導入し、オンラインでの海外研修の指導にあたった企業の事例をご紹介します。※ガイダンスについてはホームページで動画を紹介しています https://www.aots.jp/hrd/technology-transfer/online-guidance/2022 AUTUMN No.19 建築製品の開発・製造販売・施工指導を行っている同社では、インド(タミルナドゥ州)の子会社/協力会社への技術移転に向けた現地指導者の育成のため、対面での研修を計画していましたが、コロナ禍で渡航等が難しいことからオンライン研修に切り替え、「工場オペレーション技術」「金属加工(切り、曲げ、取り付け)技術」のコースを実施しました。親会社課題の提出出欠・進捗管理教材配布テスト実施子会社/協力会社360°カメラ・HMD (ヘッドマウントディスプレイ)を使って・・・・日本のモデル工場でのオペレーション、管理手法を撮影し、インド側にライブ配信して説明・インド側の工場を撮影、日本側で映像を確認しながら工程改善指導・日本での金属加工工程を配信した映像をHMDで見て、インド側で実践。日本でもその様子をHMDで見ながら出来栄えを確認、指導LMS(学習管理システム)を使って・・・・日本からインド側に必要な講義教材、資料の配布、講義動画の配信(ライブ、オンデマンド)・出欠管理、学習進捗状況の管理・復習テストの配信、履修状況(成績)と研修技術の習得度の相関を確認・受講者の作成資料の提出360°カメラ/HMDLMSWeb会議システムを使ったセミナーだけでは満足のいく研修ができそうにない一方、オンライン研修用のツールやサービスは高額なものも多く導入しにくかったのですが、そういったツールのレンタル代やサービス利用料の一部に国庫補助が適用できる制度が利用できたため、充実した研修を行うことができました。ポストコロナ禍においても次期研修スタンダードとして定着させるべく、引き続き改良を重ねたいと思います。2ツールはこうして活用しました申請企業のコメントオンライン人材育成の事例ご紹介          案件募集型海外研修●工場オペレーション技術/金属加工技術 インド●申請企業:アイティップス株式会社(旧 ジャパンメタル)ツールで解決オンラインでの技術指導 〜補助事業事例ご紹介AOTS補助事業のお知らせコロナ禍の人材育成現場から

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