AOTSジャーナル19号
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JTEKTインド法人でのJIM開校の除幕式JIM受講者の様子Skill India実現に向けて インドでは2017年より日印政府のイニシアティブによる製造業における人材育成プロジェクトが進んでおり、経済産業省の支援のもと、日系企業が手掛けるインドの若手人材育成機関が国内各地に開設されています。AOTSの協力 6月末にバンコク事務所長に着任した藤岡亮介(ふじおかりょうすけ)と申します。出向元の経済産業省では、主に通商・エネルギー周りの政策に携わっておりましたが、その中で自動車や発電といった分野でAOTSの人材育成に関する各種制度を活用させていただきました。今後は、現場から日ASEANの経済関係強化に向け、微力ながら貢献して参りたいと考えております。コロナの影響もあり、人々の交流の方法も多様化していますが、激変する国際情勢や、デジタル及びグリーンという課題に対応するには、自ら考え主体的に行動できる専門人材の育成が必要不可欠であり、人と人の交流を支えるAOTSの役割はますます重要になっていると感じます。他方で、これまでの日ASEAN関係は、基本的には日本からの技術等の移転が主であったと思いますが、現地に来て、人々の活気や意思決定の速さなどを目の当たりにし、日本が学ぶべきことも多いと痛感しております。 来年(2023年)は日ASEAN友好協力50周年の節目の年であり、様々なところで過去の振り返りとともに、将来のあるべき協力の絵姿が議論されると思いますが、自分も人材育成という観点から、現地の優秀な所員の方々と考え、行動していければと思います。 この動きは2016年、当時の日印首脳間でインドの製造分野における人材育成への協力に向けた「ものづくり技能移転推進プログラム」の実施が合意されたことに始まります。同プログラムでは、インドの若年層のスキル向上を図る職能育成事業としてモディ首相が提唱したSkill Indiaへの協力のため①製造現場に必要な規律・心構えや、実践的な技能を直接指導し、将来の現場リーダーを育成する「日本式ものづくり学校(Japan-India Institute for Manufacturing:JIM)」②インド国内の大学に製造分野の実践的な専門教育を提供する寄附講座(Japanese Endowed Course: JEC)の2つの取組を通じ、10年間で3万人のものづくり人材の育成を目指しています。 2022年7月時点でJIMは22校、JECは8講座を数え、古くから日系企業が進出していた大都市部をはじめ10を超える州への広がりを見せ、7000人以上の卒業生を送り出しています。 JIM/JECを実施する人材育成機関は経済産業省が認定しています。AOTSでは2017年よりニューデリー事務所を中心に、インド国内の日系企業に対しJIM/JEC実施機関の設立に向けた広報に協力してきました。これまで多くの日系企業が抱えていた優秀な若手技術者の不足という悩みの解決に加え、若年層への職業教育・雇用機会の提供を通じた地域社会への貢献にもつながる本プログラムに取り組む企業は、規模の大小を問わず広がっています。 また、JIMで活用する教材の開発や同教材を活用しての専門家派遣による指導を制度整備事業の一環として行っています。藤岡新バンコク事務所長からのご挨拶を掲載します。( )の中は前任者●バンコク事務所 藤岡 亮介(和田 有平) 2022年6月 ●ニューデリー事務所 手島 栄慈(神田 久史) 2022年7月AOTS JOURNAL11インドで新しい世代に伝える「日本式ものづくり」AOTSヤンゴン事務所閉鎖について2022年3月をもってAOTSヤンゴン事務所を閉鎖致しました。ミャンマーはAOTSバンコク事務所の所管国とし、引き続きミャンマーでの事業展開を推進してまいります。海外事務所長交代のお知らせAOTSニュース

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