AOTSジャーナル14号(2019春号) 和文
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JOURNAL2 なぜタイにロボットアカデミーを設立しようと思ったのですか?2009年のリーマンショック以降、日本国内の市場が変化し、日本の大手自動車メーカーや大手部品メーカーのものづくりが新興国の成長市場へのシフトを一層加速させておりました。弊社はこの流れに遅れてはならないと、ダイカストマシン周辺の自動化装置や機器の製造販売及びサービスを主たる業務とし、東南アジアやインドをターゲットとして事業展開を図って行くことを目的に2011年6月にタイに現地法人SANMEI MECHANICAL (THAILAND) CO., LTD.を設立しました。その前の2009年には経済産業省素形材ミッションにて、タイの素形材産業、日系企業大手自動車メーカー鋳造部門や大手・中小ダイカスト専業メーカーを訪問し、自動化の意思調査に行きました。そこで分かったことは、自動化ニーズはあるものの日本のようにロボット化するのは無理、まだ早いとのことでした。なぜかというとタイ人のロボットエンジニアがいないからです。そこでそもそもタイで拠点を設立したのは、日系アルミダイカストメーカーのお客様のロボット化、自動化に貢献するためではないか…。それならばタイ人にロボットティーチング(ロボットに動作の指示を与えるプログラミング)を教えればいい!!ティーチングだけでなく、PLC(シーケンサ)も出来るシステムエンジニアを育成し、自分の職場でロボット化、自動化を出来るようにしてもらおうと考えました。それならばタイ政府も巻き込んで学校を作りたい!と思い、タイ工業省へ話しを持ちかけたところ、工業省次官に大いに賛同して頂き、是非一緒にタイのこれからのロボット化、自動化に向けたエンジニア育成に、と意気投合しました。 専門家は、どのような指導を行ったのですか?弊社からは入社7年目の若手職員をAOTSの専門家として、タイ・ジャーマン・インスチチュート(TGI)*というタイの職業訓練センターへ派遣し、TGIの4名のエンジニアスタッフに対し6ヶ月間、ロボットティーチングの指導を行ないました。弊社からTGIに3台のロボット(安川電機とファナック製)を貸与し、手動操作の習得、またロボットの分類等に必要な知識を指導しました。またロボットの実際の立上げの手順にそった設定方法を指導し、プログラムの構文と一般的なダイカストマシンとの連動プログラムを参考とし指導することでロボットティーチング技術を習得させました。派遣前はできるスタッフのいなかったロボットティーチング・システムの立上げが指導により4名ともできるようになり、さらに1名はロボット周辺装置の電気制御も習得しました。 TGIのロボットアカデミーの現状はどうですか?指導を受けた人がどう活躍しているのでしょうか? 当時の佐藤専門家が指導したTGIの方は、現在ロボットアカデミーの中心的な役割を担い、講習会の参加者に指導しています。当初は3コース程度だった研修コースも、3年後には9コースに増えました。TGIのタイ人トレーナーによってAOTS人材育成事業の活用事例三明機工株式会社三明機工株式会社は、生産現場の自動化システム導入のコンサルティング及び設備の設計、施工を行っている静岡県の中小企業です。自動車産業の飛躍的な拡大に伴い、さまざまな素材・製品の製造ラインの自動化システムへの進出を果たし、『機械技術×電気技術×ロボット技術』を駆使した総合システム力を生かした製品提案を行っています。今回は、同社がタイでの将来のファクトリーオートメーション市場拡大に向けて、ロボットアカデミーを設立するために技術協力活用型・新興国市場開拓事業(研修・専門家派遣制度)を利用して2013年に行った人材育成について、代表取締役 久保田和雄氏にお話を伺いました。本 社:静岡県静岡市清水区創 立 : 1947年4月資本金: 1000万円従業員数: 95名海外拠点 : 中国、タイ社屋外観ロボットシステムインテグレーター(SIer)5年で300人育成、タイの産業基盤作りに貢献 ~タイランド4.0の礎
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