AOTSジャーナル14号(2019春号) 和文
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9No. 14 SPRING 2019開催両国において、日本の食品小売市場への関心は非常に高く、現地小売業協会等食品流通に関わる業界団体の役員クラス、日本食品を取り扱う大手ローカルスーパーマーケットや百貨店、食品・日用消費財の輸入・製造・販売業者などの幹部・マネージャーなど、非常に多くの方々にご参加いただきました。ベトナムでは、伝統的な個人商店や市場などでの販売シェアが依然として高く、こうした店舗の棚にはまだまだ限られた日本食品しか並んでいないのが現状ですが、近年ホーチミンでも大型スーパーやコンビニエンスストア等の日系小売業の進出が増えており、日本でもおなじみの菓子スナック、ペットボトル飲料、カップ麺が売れ筋商品として親しまれています。また、食材を購入する際に最も大切なこととして、「原産国」「安全性(食品添加物の有無、農薬の使用状況)」と回答した方が5割を超え(JETRO ホーチミンスタイル-ホーチミン市民300人アンケートより抜粋)、市民の所得や生活水準が上がるに従って、多くの人が食品を選ぶ際、品質、衛生面、安全面に気を配るなど、健康志向の高まりがうかがえます。高い物流コストや物流インフラの未成熟により、生鮮食品の物流網の整備という課題はありますが、本カンファレンスに多くの業界関係者及びメディアが参加し、大変興味深く日本の最新情報に耳を傾けてくださり、ベトナムにおいて、将来的に多くの日本食品が取り扱われる可能性を感じることができました。一方、台湾では、富裕層向けの百貨店や高級スーパーマーケットのみならず、一般のスーパーマーケットにおいても日本から輸入した青果物や日本メーカーの加工食品、調味料などの品揃えが豊富です。台湾では漢方等を用いた薬膳料理が一般的に浸透しており、さらに高齢化の進展や所得の増加を背景に、国民全体の健康意識が高まりを見せています。ヘルシー、美容効果、アンチエイジング等を意識した消費動向が見受けられ、日本食品の強みを活かせる市場であると考えられます。また、もともと外食文化の台湾では中食(惣菜や弁当など家庭外で調理された食品を購入して持ち帰る食事)の売り上げが伸びており、SMTS2019と同時開催される「デリカテッセン・トレードショー2019」で発表される“お弁当・お惣菜大賞”についての紹介内容は参加者の関心を集めました。イベント終了後、現地メディアによる情報発信の実績としては、テレビ、ウェブニュース、ビジネス雑誌、業界団体会報など数多くのメディアに取り上げられ、参加者へのアンケート調査では回答者の約75%が日本のSMTS2019への来場を予定すると回答し、このPRイベントを通じて、参加者によりスーパーマーケットをはじめとする日本の小売業の取り組みや商品・サービスについて関心を持っていただくことができました。台北での事業説明会ベトナム現地メディアによる取材の様子AOTS総合研究所では、こうした日本の業界団体や自治体、産業界等と協力し、海外に向けた情報発信やネットワーク構築、国内展示会への来場者誘致施策などを通じて、新興国と日本とのビジネス交流促進に貢献していきたいと考えています。(あわせて巻末のPR広告もご覧ください)プロモーションイベント概要 ベトナム10月30日 ホーチミン市内 Pullman Saigon Centre参加者 メディア24名、業界団体・小売企業等32名 台湾11月1日 台北市内 EVERGREEN LAUREL HOTEL (TAIPEI)参加者 メディア8名、業界団体・小売企業等29名

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