AOTSジャーナル13号(2018秋号) 和文
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11No. 13 AUTUMN 2018一例として、AOTSの関連団体でタイにある泰日経済技術振興協会(TPA)からタイ人講師を派遣して実施する「5S・改善、生産性向上」コースのケースをご紹介します。̌ コース期間は3日~5日間で、現地の状況に応じて実施期間を設定しています。5S・改善とQCが組み合わされた内容で構成され、現地側のニーズにより3日~5日間で実施しています。いずれのコースにおいても、講義による理論とグループ演習の時間が十分に用意されています。右の写真は、ラオスの第2の都市であるサワンナケートで実施したタイ人講師による5Sコース「Basic 5S for Productivity」(3日間)の研修風景です。定員を大幅に超える54名が参加しました。̌ノウハウを蓄積したタイ人講師が、ラオス・カンボジア等の参加者を教えています。これまで多くの場合、日本人が講師となり、海外において指導をしてきました。第三国研修「協会企画型」コースでは、ノウハウを蓄積したタイ人が講師となりますので、日本人が教えるのとは様々な点において異なっています。教材の作成の仕方、資料の色使い、動画の使い方、コミカルな映像を用いて参加者を笑わせる、演習の題材を日常生活の身近な例からとってくる上手さ、教室をくまなく歩き回り参加者と双方向コミュニケーションを続けながらの教え方等、講師と参加者の距離が近く、ASEAN国籍の参加者に非常に受け入れやすいものとなっています。̌ 首都だけでなく、研修機会の少ない地方都市でもコースを開催しています。ASEAN域内に進出している日系企業は、大都市だけでなく、国境に位置する地方都市で操業している企業も多くありますので、首都以外でもコースを実施しています。これまで、首都以外では、ラオスのサワンナケート、パクセとカンボジアのポイペトで実施しています。2018年度も、首都以外でのコース実施を増やしていく予定で、これら3都市に加え、ミャンマーのティラワ地区、マンダレー、バガンやカンボジアのベトナム側国境にある都市バベットでコースを開催します。右の写真は、タイ国境に接する都市、カンボジアのポイペトで実施した研修風景です。日本資本とカンボジア資本による共同投資によって設立されたSANCOポイペト経済特区には、設備の整った会議室兼研修施設があり、本研修は、この施設を借りて実施しました。「第三国研修『協会企画型』コースのご紹介」ASEAN進出日系企業を通じた産業人材育成事業(第三国研修)工業団地の敷地内にある研修施設のため、参加者は自分の工場からユニフォーム姿のまま、片手に教科書を持って歩いてやってきます。40名が参加しました。研修風景第三国協会企画型 事業イメージASEAN8ヶ国(シンガポール・ブルネイ除く)例)ラオス・カンボジア・ミャンマー例)タイ講師派遣ASEAN10ヶ国海外協力機関参加者募集取りまとめ研修申込み研修実施費支払い参加企業・参加者AMEICCAOTS研修実施費支払い実施機関講師選定、教材作成実施機関と協力し研修テーマ設定コース例紹介ASEAN進出日系企業を通じた産業人材育成事業(第三国研修)では、ASEAN国籍の講師をASEAN域内に派遣し、5S・改善等のテーマで、セミナー型集合研修を実施しています。AOTSが現地ニーズに合わせてテーマを設定し、ASEAN国籍の講師を派遣して実施するコースです。AMEICC拠出金*を使って事業を実施していますので、セミナー参加希望者は無料でご参加いただけます。海外現地法人のスタッフ育成に、本研修参加希望の際は、海外協力機関宛(*)に お問い合わせの上「研修申込書」をお送りください。* 現地の海外協力機関(例:ラオス商工会議所、カンボジア商務省、工業団地運営企業等)2016年度-2017年度の過去2年間、ラオス、カンボジア、ミャンマーの3カ国5都市において「5S・改善、生産性向上」や「物流管理」のテーマで研修を実施してきました。毎回、定員を超えるお申込みをいただいています。2018年度も実施国、実施都市を増やして10数本のコースを開催しています。* 日ASEAN首脳会合の合意に基づき1998年に設立された「日ASEAN経済産業協力委員会(AMEICC=エイメック)事業の一環で、AOTSがAMEICC事務局支援業務として実施しています。

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