AOTSジャーナル13号(2018秋号) 和文
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JOURNAL10AMEICC事業の事例紹介 -ミャンマー、ラオス、カンボジア-ミャンマー・タンリン工科大学で“日本のものづくり技術講座”を開講中(大学寄付講座)ミャンマーの持続的な経済発展に資するため、2014年以降、日本はミャンマー政府と協調し官民一体となってヤンゴン南部のティラワ経済特区(以下、特区)の開発を進めています。現在、80社あまり(うち日本企業は39社)が進出を決め、進出企業の増加及び本格的な操業開始を控え、工学的な知識を備え生産現場の中核を担える人材が強く求められています。AOTSでは、現地の日本大使館、JETRO、ミャンマー日本商工会議所など関係諸機関、並びにタンリン工科大学(以下、大学)の全面的な協力を得て、2017年11月から日本のものづくり技術や日本企業のビジネスマナー等を教える寄付講座を開始しました。講座では、特区進出日系企業のマネージャーらが講師となり教室での集中講義と工場見学を実施したり、企業でのインターンシップやジョブフェアなどを行い、学生の日系企業への理解と就職意欲の向上等に取り組んでいます。同大学のテインギ学長からは、『特区に就職する学生を増やしたい。中でも、日系企業で即戦力となる学生を育成するのが本学の重要な役割』と、力強いメッセージをいただいています。4学科50名を1グループとして、昨年11月から来年3月にかけ、3グループ計150名の学生に講座を実施しています。̌ 集中講座特区の日系企業が使用している日本製の論理制御装置の操作方法等を学ぶため、2週間の集中講座を行い、全員が修了試験で合格点を得ました。大学にはドイツから寄贈された装置しかありませんでしたが、今回の講座で日本製の機器を導入した成果が期待されます。講座中、停電により使用した自家発電機の音が大きいため窓を閉め切ったまま授業を続けることがありましたが、暑い中、集中力を維持し、真剣に学ぶ学生ばかりでした。̌ 学期中講座日本企業のビジネスマナー等の理解を深めるため、毎週1回、日系企業のミャンマー人マネージャーなどから企業活動の紹介を聞き、着実に日系企業への関心を高めました。学生50名に実施したアンケートでは、「日系企業で働くことに大いに興味がある」との回答が、講座前は50名中22名(44%)だったものが講座後は36名(72%)に増加しています。̌ インターンシップ特区の日系企業に協力いただき、5月には選抜された20名の学生が5社に分かれ5日間の現地インターンシップを体験しました。学生は、「エンジニアの仕事だけではなく、総務、営業、マネージャーなど様々な職種の役割が理解できた」、「自身の職業選択について考える良い機会だった」と感想を述べ、有意義な体験だったことが分かります。̌ ジョブフェア9月の卒業試験の後に、特区の日系企業に出展いただき、大学内でジョブフェアを開催します。なお、卒業は12月のため現時点では学生の進路は未定ですが、特区の日系企業で活躍する方が多数輩出されることを期待しています。日本製の論理制御機器を使った演習ティラワ経済特区の日系企業の方の講義を聴く学生タンリン工科大学 Thanlyin Technological University(TTU)• 1986年設立。ティラワ経済特区近郊にあるミャンマーを代表する工学系大学の一つ• 土木工学部、機械工学部、電力工学部、電気工学部など9学部• 学生数は約4,700人(1学年約750人)• 就学年数は6年間ティラワ経済特区•ヤンゴン市内から25km 、車で1時間から1時間30分•タンリン工科大学から5km、車で10分講座概要

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