AOTSジャーナル12号(2018年春)和文
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JOURNAL4また、インドに投資して、安い労働力を使って儲けたかったのではなく、インドの発展に寄与して、企業活動を通して雇用や産業を創出したいと強く思っていました。だからこそオスワル氏という共通の考え方や価値観を持つ方と出会うべくして出会ったのだと思っています。人材育成は一番難しいことだと思っています。現地の従業員は、心技体のバランスを考えて育成を進めたいです。知力だけ優れていても不十分ですし、またお金儲けのことだけ考えている人も採用しません。従業員は運転手に至るまで契約社員は一人もいません。目的は、日本的経営のよいところをインドで実践することです。常々、現地従業員には、「君たちはただ働いているのではなくインドの国作りの仕事をしている。インフラを整えることは国を発展させることにつながり、インフラが整えば病気も減る」と伝えています。日本の中小企業には素晴らしい技術を持ち、その分野では世界トップレベルの企業がたくさん存在していますが、日本人は海外に出ていくことに非常に慎重で、また多くの壁があります。国は、日本の中小企業が海外進出しやすいように支援する施策が必要だと常々思っています。人間は、何のために生きているのかが解った時から第2の人生が始まると言われますが、企業においては、物心両面から教育することが必要だと考えます。精神的に豊かな人間になることは豊かな人生を送ることにつながるので、収入を得るためだけに働くのではなく、人間的な成長を目指してもらいたいです。このことはインドでも従業員に伝えています。特にインドでは、企業自体が成長していないと、つまらない、と社員が辞めていく。だから現地法人も雇用を増やして成長していく必要があると考えています。また国内でも海外でも今後雇用を増やしていきたいと考えています。そうしないと技術の伝承もできず、産業が先細りになってしまうからです。当社では日本でもミャンマー人エンジニアを3人正規雇用するなど海外人材を雇用しており、社内でも国際化を推進しています。最後に、モディ現インド首相が「メイク・イン・インディア(インド製製品の輸出振興策)」を提唱していますが、当社現地法人は既にそれを実行しインドから第3国へ自社製品を輸出しています。また、インドの関連企業でプレキャストコンクリート製品を製造する日系企業Fuji Silvertech Concrete Pvt.Ltd.*は、生産開始2年目の今年3月期で黒字化達成の見通しが立っています。現在、親会社であるトヨタ工機(日本)の受注の半分は海外輸出しており、今後は、益々グローバルマーケットの開拓を進め、人材そのものも国際化して国際的に成長する企業を目指していきたいと考えています。* 2016年度専門家派遣制度利用企業の不二コンクリート工業(株)の現地の指導先企業、トヨタ工機(株)の豊田社長が役員を務める。TOYOTA FORMS INDIA PVT. LTD.の型枠を使いコンクリート製品を製造する日本とインドの合弁企業。 本日は貴重なお話をありがとうございました。座学の指導風景工藤専門家(右)による個別指導豊田社長

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