AOTSジャーナル12号(2018年春)和文
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JOURNAL2 御社の海外進出の経緯について教えてください。当社は以前より米国、中国に輸出をしておりましたが、欧州をターゲットにすべく2009年ジェトロの「輸出有望案件発掘支援事業」に応募しサポートを得ました。海外事業展開の大きな筋道となったのは、2010年ミュンヘンで開催の「BAUMA2010(国際建設機械・建設資材製造機械・鉱業機械・建設車輛・関連機器専門見本市)」に初出展したことです。当時日本のプレキャストコンクリート関連業界から出展したのは当社のみでした。そしてその時の来場者の中で後にインドのお客様となる企業の社長との出会いがインドに関心を持つ契機となりました。2011年にはインドを含め海外での展示会に精力的に出展し、当社製品が海外市場で十分受け入れられるという手ごたえを感じましたが、同時に、海外市場のニーズに合う価格の製品を製造するには海外生産拠点が必要だ、そして当社の経営理念を海外でも展開していきたい、という強い思いがありました。2012年にジェトロ主催のインド投資環境視察ツアーに参加し、工業団地をいくつか見て回りました。その際、現在のモディ首相が当時の州首相として強いリーダーシップを発揮していたグジャラート州が、当社の海外拠点に最も適しているのではないかと感じ、帰国後、早速社内でプロジェクトチームを発足し検討を重ねました。2013年1月、当社はグジャラート州政府とのMOU(覚書)を取り交わし、グジャラート州への投資促進の大規模サミット「バイブラント・グジャラート」に参加し、ジャパン・セッションセミナーで「なぜグジャラートに投資するのか」というテーマでプレゼンテーションを行いました。その中で、「インドで安心で安全な、そして清潔な社会を作るためのインフラ構築のお役に立つことができる。それはインドという国の発展とインド人の皆さんの発展にもつながり、ひいては日本の発展にもつながる。」と述べました。プレゼン終了後、現地のマスコミからも取材を受けました。その翌月、ムンバイで開催された「BC India 2013」に出展、ジェトロに「ジャパンブース」を設置してもらい日本の各社とチームで出展しました。そうでもしないと国の支援を強力に受けて出展してくる中国や欧米の企業群に比べ日本企業は存在感が薄いと感じるからです。その時各企業のブースについてくれた日本語のできるインド人アシスタントのチーム長に、グジャラートで日本語のできる人材の紹介を依頼しました。すると、一人だけ知っている、とのことで紹介しても AOTS人材育成事業の活用事例インドのインフラ整備に貢献したい̶プレキャストコンクリート製品ですすめる「メイク・イン・インディア」̶トヨタ工機株式会社今号では、受入研修・専門家派遣の両制度の利用事例としてプレキャストコンクリート製品用型枠の設計、製造を行うトヨタ工機株式会社をご紹介します。同社はプレキャストコンクリート製品業界の発展とともに50年以上の歴史があり、高品質で寸法精度の高い製品づくりには国内外で定評があります。2013年にインド西部・グジャラート州アーメダーバードに100%日本側出資にてTOYOTA FORMS INDIA PVT. LTD.を設立、2016年1月より稼動を開始しました。本格稼動に先駆け2014年からAOTS受入研修制度によりインド人技術研修生を受け入れ、その後2017年にはAOTS専門家派遣制度を利用して現地に指導者を派遣し、帰国研修生を含む現地従業員にトヨタ工機のものづくりについての技術指導を展開しています。今回は、インド進出の経緯や両制度を利用された成果、現地人材育成に関する想いについて代表取締役の豊田 実様にお話を伺いました。本  社: 東京都府中市四谷6-12-8工  場: 吉野ヶ里(よしのがり)工場(佐賀県)、 福島工場(福島県) 設  立: 1966年1月25日資本金: 5,350万円従業員数: 111名 事業内容: プレキャストコンクリート製品用型枠設計製造および関連事業(型枠設計・製造、製造設備設計・製造・施工、製造コンサルタント)、産業用自動化 装置の設計、製造、施工および海外輸入製品の 販売現地法人社屋

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