AOTSジャーナル11号(2017秋号)和文
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JOURNAL4日本の低炭素インフラ輸出を支える中小企業̶低炭素技術輸出促進人材育成支援事業̶株式会社 藤本機工本社社屋 AOTS人材育成事業の活用事例 御社の概要について教えてください。当社はエネルギー生産という基幹産業の一翼を担うべく1970年に設立され、以来、事業用発電所、自家用発電所などの発電設備据付工事、メンテナンス等を行っています。日本国内では全国の電力会社のメンテナンス企業や、大手のプラント建設企業と主な取引を行っています。また海外では、アジア諸国などの発電設備の施工管理及びメンテナンスに関する豊富な実績を有し、グローバルに事業を展開しています。御社のインドネシアにおける合弁企業であるPT. Indo Fuji Energiは、インドネシアの電力事業を支える日本企業主導のプロジェクトに携わられていますね。プロジェクトについて詳しく教えてください。インドネシアでは経済成長に伴う電力需要の拡大により、需給がひっ迫した状態が続いています。2019年までのインドネシア全土の電力需要は年平均約9%ずつ伸びていくと予想され、インドネシア政府は、同年までに35,000MWの新規電源を立ち上げることを目標に掲げています。その中核案件と位置づけられているのがジャワ島中部にあるタンジュン・ジャティB石炭火力発電所(以下、タンジュン・ジャティ)の5、6号機の拡張工事です。同発電所の1-4号機はジャワバリ系統の約11%を担っていますが、本拡張工事は現在稼動している1-4号機の隣接地に1,000MWの高効率な超々臨界圧石炭火力発電設備ユニット2機を新たに建設するものです。今回の5、6号機の拡張事業には1-4号機と同様に日本の企業が参画しています。主要機器には日本製品を採用し、日本の質の高いインフラ投資につながっています。(表1)参画する日本企業等土木・建築工事等三井造船(株)タービン・発電設備(株)東芝ボイラー等三菱日立パワーシステムズ(株)表1 タンジュン・ジャティB石炭火力発電所5、6号機拡張工事(2021年稼動開始予定)。住友商事(株)、関西電力(株)がインドネシア企業とともに発電所を建設・所有・操業する法人に出資。藤本機工は、日本全国はもとより世界各国の発電プラント建設時の発電設備施工等を行なっています。同社はインドネシアに合弁企業を設立した当時から20年近くに亘り、AOTSの研修制度を活用し現地の技術者を育成してきました。今回は、低炭素技術輸出促進人材育成支援事業*の制度を活用し、現地の新世代のリーダー育成に着手することになりました。アジアの電力事業を支える日本の中小企業の研修事業活用事例を紹介します。本  社:神奈川県横須賀市根岸町4-2-4 設  立:1970年*低炭素技術輸出促進人材育成支援事業についてエネルギーインフラ等の運営保守管理人材や、海外工場の生産プロセスの省エネ化に資する人材の育成支援を通じて、CO2排出削減や、我が国企業の海外市場開拓に資することを目的としています。 当事業は、開発途上国だけでなく、欧米・中東諸国等も含む世界各国・地域が対象になります。タンジュン・ジャティB石炭火力発電所ジャワ島ジャカルタ発電所カモジャン地熱発電所インドネシア共和国資 本 金:5,000万円従業員数:60名事業内容 発電設備他の建設、保守点検

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