AOTSジャーナル11号(2017秋号)和文
12/16

JOURNAL10Q1 AMEICCとはなんですか?A1 1997年マレーシアで開催された、日ASEAN首脳会合での合意に基づいて、翌1998年にAMEICCが設立されました。AMEICC(エイメックと読みます)はASEAN Economic Ministerial Meeting - Ministry of Economy, Trade and Industry of Japan (METI) Economic and Industrial Cooperation Committeeの略称で、ASEAN諸国と日本の経済大臣会合の下に組織された、日ASEAN経済産業協力委員会のことです。ASEAN諸国の競争力強化や日本との産業協力推進を実現するため、日ASEAN経済大臣会合の場で政策提言がなされ、その方針を受けてAMEICCが具体的な経済・産業協力を実施します。Q2 AMEICCにおけるAOTSの役割はなんですか?A2 経済・産業協力の実施に向けて、様々なテーマ(自動車、IT、化学、中小企業振興策、人材育成など)でワーキンググループ(作業部会、以下WG)が作られ、WG毎に会議を開催しプランを作成します。WGで練られたプランは、日ASEAN合同の高級事務レベル会合で審議され、その後、毎年行われる、日ASEAN経済大臣会合で合意形成される仕組みになっています。こうしたWGに基づく案件形成はAMEICC設立以来の大きな柱となっていますが、一連の段取りや必要な事務、連絡調整をAOTSのバンコク事務所に置かれているAMEICC事務局が行い、東京にあるAOTSのAMEICC事務局支援業務部が主に予算管理等の事務の支援、協力を行っています。また、AOTSでは次に紹介するような具体的な事業の実施なども担当しています。Q3 AOTSがかかわっている具体的なAMEICC事業について、詳しく教えてください。A3 2015年度以降は、大きく分けて次の2つの事業を実施しています。一つ目は、日ASEANの新産業の創出に結び付くような実証事業やASEAN 10ヵ国の経済大臣等を招いてのビジネスマッチングシンポジウムなど、ASEAN地域への未来投資促進を狙うための各種公募事業です。二つ目は日本とASEANとのビジネス投資拡大を目的とし、ASEAN域内の産業人材を育成する事業です。この事業はさらに3つの事業から成り立っています。前ページで紹介したASEAN域内に進出している企業向け事業、インフラプロジェクト関係者向け人材育成事業、大学寄付講座事業です。インフラプロジェクト関係者向け人材育成事業は、インフラシステム案件形成の早い段階から、プロジェクト関係者における日本の高い技術の優位性に関する理解を深めるなど、人材育成を通じてASEAN諸国における質の高いインフラ整備を推進することを目的としています。より具体的には日本での研修やASEAN地域への専門家派遣、セミナーなどを実施しています。大学寄付講座事業は現地日系企業で求められる実践的な人材を育成するとともに学生の日系企業への就職意欲を高め、現地日系企業の事業活動の円滑化及び、日ASEAN協力関係の深化を図ることを目指しています。ASEAN域内の大学等に寄付講座を開設し、講義、インターンシップ、ジョブフェアを実施し、現地日系企業で即戦力となる学生を育成するとともに、卒業後に日系企業への就職を促す仕組み作りに貢献しています。AMEICC事業について、Q&A形式で紹介します。寄付講座事業の事例。インドネシアのBASE(BINUS ASO School of Engineering)における寄付講座での講義風景。学生自らエンジンを分解し、構造を学んでいる場面。寄付講座事業の事例。ラオス国立大学にてジョブフェアを実施。日系企業を含む39社が出展し、900名近い学生が参加。学生の質問に、企業も熱心に耳を傾けている。インフラプロジェクト関係者向け人材育成事業の事例。ミャンマーの運輸通信省、国鉄の管理者を対象に国鉄の経営改革についてヤンゴンで2日間の研修を実施。研修後に自らの組織で改革案を提示すべく、参加者がプレゼンテーションを行い、専門家の指導を受けている場面。 AMEICC事業の紹介

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る