AOTSジャーナル11号(2017秋号)和文
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9No. 11 AUTUMN 2017(左)タイ拠点で製作した金型はタイ国内の顧客へ納める。(右)タイ拠点立ち上げ時は、日本から日本人社員が長期出張し、指導を行った。高い技術力やお金があったわけではありませんが、人を大事に育ててきました。これが企業風土となり徐々に若い人が入社し、一人二人と社員が増えていきました。今も社内のコミュニケーションを大切にし、チームワークを高めています。初めて海外進出をしたのはベトナムでしたが、日本と同じやり方をベトナムでも展開することができ、日本でやってきたことが間違いではなかったと実感しました。ベトナムでやれるという手ごたえを感じ、タイ、フィリピンに横展開していきました。海外に出てみると海外の企業動向やどのような業態や製品に需要があるのかといった情報が自然に入ってきます。また、関連メーカーやサプライヤーから、その国に新規に進出した企業の紹介を受けたり、取引先企業から相談事を持ちかけられることも多いです。海外に出て、海外のお客様の問題解決に取り組むことが、成長につながっています。べトナム、タイ、フィリピン3拠点の立ち上げに、御社の「人」力をフルに活かしているのがよくわかります。ベトナムは初めて海外で立ち上げた拠点で、現地人材の育成に悩んでいました。折りよく当時ハノイで開かれたAOTSの事業説明会で受入研修制度を知り、すぐに利用を決めました。2011年から2012年にかけて立ち上げ要員6名に対し日本で研修を行いました。その後も毎年、日本での研修を継続し、2011年から2017年までに日本で研修を受けたベトナム人スタッフは25名にのぼります。その甲斐あってベトナムの拠点は3年で現地化に成功しました。現在、トップのみが日本人で、製造は全てベトナム人で行っています。日本の研修に参加したベトナム人は日本語を習得し、研修後に部下を教えるローテーションができたことが成長の要因と考えています。タイの拠点は、2014年の夏から稼動を開始しました。立ち上げの時は、日本から職人2名がタイに赴き、2年間駐在し、タイ人の新入社員を手取り足取り指導しました。さきのベトナム同様3年で現地化することを目標にしています。2016年に2名、2017年も2名のタイ人スタッフをAOTSの受入研修の制度を利用して日本で研修を実施しています。フィリピンの拠点は、2016年に稼働したばかりです。元々、ベトナムで製造した金型をフィリピンへ輸出していたのですが、フィリピン国内での需要の高まりを予想し、工場設立を決めました。しかし、われわれのような中小企業は人も資金も限られています。海外新拠点立ち上げの都度、日本から腕利きの技術者を長期に派遣していては日本本社の生産性が落ちてしまいます。そこで、今回はAMEICC事業「第三国研修」の制度を利用してフィリピンへベトナム人技術者を派遣することにしました。彼らは皆、AOTSの受入研修制度を利用して日本で研修を受けた元研修生です。各回2名ずつ、約1か月間、3回の派遣で、合計6名のベトナム人を専門家としてフィリピンへ派遣し、指導を行いました。業界に先駆け、アジア諸国に広く展開しているだけでなく、高齢化がすすむ木型業界の中で御社には若い社員が集まっています。経営にかける思いをお聞かせください。 私の知る限り木型業界で海外展開している日系企業は当社だけです。日本代表としてJAPAN BRANDを世界に広め、グローバルニッチトップを目指しています。当社の売りは「人」と「チャレンジ精神」であり、既存の考えに固執し柔軟に動けない企業は市場から弾かれていく。そこに大手も中小も関係はないと考えています。フィリピン拠点にてベトナム人技術者から指導を受けるフィリピン人スタッフ(株)ノダ 第三国研修の事例概要[申請内容]ベトナム現地法人のベトナム人技術者をフィリピン現地法人へ受け入れて指導を実施する。第三国型(国を跨いで実施) ベトナムからフィリピンへトムソン型・クロムダイの加工技術および品質管理ノダフィリピン(NODA KIGATA PHILIPPINE CORPORATION)は、立ち上げ間もなく、スタッフの製作技術が未熟で、品質に対する意識がまだ低い。加工技術の習得に加え、受注から納品までの流れや生産性・効率性の重要性を理解させる。職人要素が大きく、一気に習得することが難しいため、3回に分けて指導を実施する。1回目(25日間): 基本知識と技術の徹底指導と受注から納品までの流れの理解2回目(28日間):高度技術を要する複雑形状の金型に関する技術指導3回目(28日間):作業効率を意識しながら、より精度の高い加工技術を習得*全回において、「ミスのない」ではなく「お客様に満足していただける品質とは何か」を指導専門家受入形 態指導技術実施の理由・目的指 導 内 容:::::
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