AOTSジャーナル11号(2017秋号)和文
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JOURNAL8(株)ノダは、1985年大阪市で創業、木型・トムソン型・腐食刃・エッチング刃の専門メーカーです。ニッチで決して成長産業ではない木型業界で、(株)ノダは「世界に挑め、戦え」をスローガンに国内・海外に拠点を広げグローバル生産体制を築いています。タイ、ベトナム、フィリピンいずれの拠点も、顧客の7-8割は日系企業です。木型で打ち抜く素材は、樹脂、ゴム、フィルム、スポンジ、紙器、PPやPETなど様々で、打ち抜かれた素材は、自動車、携帯、パソコン、医療、食品など、幅広い業界で使われています。        本  社: 大阪市生野区中川東2-2-15設  立: 1985年資 本 金: 1,000万円従業員数: 日本70名、ベトナム70名、タイ30名、 フィリピン20名(2016年現在)事業内容: 木型、抜き型、トムソン型、クロムダイの製造・販売国内拠点: 大阪本社、東京支社、中部支社、九州営業所海外拠点: ベトナム(2011年設立)、タイ(2013年設立)、フィリピン(2015年設立)海外進出は不可能と言われた業界で、海外展開を成功させた秘訣株式会社ノダこれまで長年に亘り、技術移転は日本人専門家を海外現地法人へ派遣して指導する方法、あるいは海外現地法人の管理者・技術者を日本へ受け入れて研修する方法で行われてきました。しかし、海外現地法人の技術力の向上に伴い、従来型の日本をベースにした指導や研修から、ASEAN域内でASEAN国籍の現地中核人材が主体となって、日本のものづくりを教える仕組みを作る必要が出てきています。AOTSでは、ASEAN域内において、現地法人の技術者が技術指導を行う場合に助成金が適用されるAMEICC事業「第三国研修」を実施しています。そこで、同制度の概要とともに、AOTSの受入研修制度を利用して海外初進出を成功させた後、新たに「第三国研修」の制度を活用して、ベトナム初進出の経験を横展開させた企業の事例を紹介します。(AMEICC事業については10ページで紹介しています。)第三国研修の制度には次の2つの形態があります。●専門家受入ASEAN域内企業が、ASEANにある日系企業から専門家を受け入れて技術指導を受ける際の経費を支援します。 例)タイからベトナムへタイ人専門家を受け入れて指導を受ける。●研修派遣ASEAN域内企業が、ASEANにある日系企業へ研修生を派遣して技術指導を受ける際の経費を支援します。 例)ミャンマー人スタッフをタイへ派遣して研修を行う。職人技が多く海外進出は不可能と言われていた業界で、なぜ海外展開を決断したのですか?この業界は家族経営がほとんどで、海外進出をするにも体力がない、人がいない、出せないというのが本音です。周りでも海外進出を一度は考えても、本格的に進出した同業者はいません。しかし、日本国内では市場が縮小し、顧客も海外に生産拠点を移しています。海外進出は不可能と言われてきた業界ですが、当社が海外進出を実現させた背景には決断の速さがあったと思います。当社も今から15年程前は、家族3、4人で経営していました。【助成対象となる費用】技術指導料、旅費、宿泊費、通訳費の助成を行います。(助成額の上限は1社240万円まで、複数回のご利用が可能です。)事業イメージ研修派遣費用負担AMEICCAOTS実施企業の社員(技術者・管理者など)技術指導に関する合意・覚書参加企業の社員(技術者・管理者など)技術指導を行う企業(実施企業)技術指導を受ける企業(参加企業)専門家受入タイ マレーシア インドネシア フィリピンベトナム ミャンマー ラオス カンボジア ブルネイ シンガポール (ASEAN10ヶ国)タイ マレーシア インドネシア フィリピン ベトナム ミャンマーラオス カンボジア (ASEAN8ヶ国) AMEICC事業「第三国研修」の制度活用事例第三国研修の概要制度活用事例

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