HIDAジャーナル10号(和文)
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HIDA JOURNAL6Borel AwardはEOQ創始メンバーの一人であり、1971年から1973年にかけてEOQ会長を務められたGeorges Borel元EOQ会長の名前を冠したヨーロッパの品質管理の分野においてもっとも高い名誉のある賞です。Borel Awardには3つの分野があり、狩野先生は、このたび”International”の分野で受賞されました。魅力品質理論(Kano Model)、課題達成QCストーリー、日常管理、「TQMの館」など、広く世界中で用いられている数々の理論の創始者であること、アジア・クオリティ・ネットワーク(Asian Network for Quality)の創設者の一人で初代会長を務められ、現在は名誉会長を務められていること、ヨーロッパ各国での講演、コンサルテーションなど、ヨーロッパのみならずワールドワイドに品質経営の普及に多大なる貢献をされていることが受賞の理由です。狩野先生はこれまで、日本において最高の栄誉であるデミング賞本賞*1(1997年)を受賞、米国においてはアメリカ品質学会より同学会で最も名誉ある名誉会員*2の称号を贈られています(2014年)。今回のBorel Award受賞により、狩野先生は世界で初めて日本、米国、欧州において三冠の栄誉をご達成されました。狩野先生が最初にHIDAでご指導くださったのは1976年のことです。当時、HIDAの前身である財団法人海外技術者研修協会(AOTS)は国際連合工業開発機関(UNIDO)から委託を受け、日本の企業で行われている品質管理活動を総合的かつ実践的に習得できるよう教室内での講義と工場での演習を組み合わせた「品質改善コース」*3(以下UNQC)を実施していました。当時のコースは8週間という長期間にわたるものでしたが、狩野先生にはプログラム・コーディネーターとしてご指導をいただきました。1982年には、AOTS(当時)が独自で実施する「品質経営研修コース」(以下PQM)が開設されました。PQMは1982年度から本年度にいたるまでほぼ毎年1回開催され、狩野先生には本コース開設当初からご指導をいただいています。2007年度からは経営者、経営幹部を対象とした「経営幹部のための品質経営研修コース」(以下EPQM、8-9ページで紹介)も新設され、コースディレクターとしてコースの監修、指導をいただいています。UNQC、PQM、EPQMは、これまでに46か国172名(UNQC)、50か国686名(PQM)、29か国188名(EPQM)、計69か国、1,046名が受講しており、狩野先生の薫陶を受けたコース参加者が、世界各地のそれぞれの組織において活躍しています。Borel Award受賞と三冠栄誉ご達成のお祝いを申し上げるとともに、今後も先生の知識、ご経験が多くの人に伝わるよう願っています。*1 TQM(総合的品質管理)の研究または普及に関し優れた業績のあった第一人者やグループに授与される賞。日本科学技術連盟に事務局があるデミング賞委員会が選考を行う。*2 品質管理の分野において顕著な功績のある個人に贈られるアメリカ品質学会で最も名誉ある称号。統計的品質管理の創始者であるシューハート博士が1947年に名誉会員第1号に指名されて以来、狩野先生(26番目)を含めこれまでわずか27名しか指名されていない。*3 英文名称In-plant Group Training Program in the Field of Quality Improvement of Industrial Products、略称UNQC。1976年から1996年まで計13回開催。1980年までは毎年1回、1982年から1996年まで遇数年に1回開催。ただし、1986年はそれまでの受講者を対象にフォローアップセミナーという形でマレーシアで開催された。 品質経営研修コース コースディレクター 狩野紀昭先生がヨーロッパ品質機構にて Georges Borel Awardを受賞し、三冠栄誉をご達成デミング賞本賞(左奥)、EOQ Georges Borel Award(右奥)、アメリカ品質学会名誉会員指名(手前)の際に授与された賞状品質経営研修コース(詳細は8-9ページで紹介)にてコースディレクターとしてご指導をいただいている東京理科大学名誉教授の狩野紀昭先生が2016年5月にフィンランドのヘルシンキで行われたヨーロッパ品質機構(The European Organization for Quality、以下EOQ)60周年記念大会にてGeorges Borel Award(以下、Borel Award)を受賞されました。2016年は狩野先生がHIDAで指導されるようになってからちょうど40年目にあたる年でもあります。受賞のニュースと狩野先生によるHIDAでのご指導の様子を紹介します。
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