HIDAジャーナル10号(和文)
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15No. 10 SPRING 2017HIDAにおける同窓会との協力事業の一つに巡回セミナーがあります。複数の同窓会が共同で企画したセミナーにHIDAが日本から講師を派遣して行う事業で、費用はHIDAと同窓会が負担し合います。このたびメキシコ、ペルーで行われた巡回セミナーでは、日本大学経済学部の大森信教授に講演いただきました。大森先生は経営学の視点で企業の5Sや掃除活動を研究されており、講演は5Sの生産性向上効果だけでなく、活動そのものが人や組織に与える人材育成効果に注目します。まず11月4日にメキシコの首都、メキシコシティにて現地の企業経営者、管理者、コンサルタント、学生など約70名に対しセミナーを実施しました。メキシコは近年日系企業の進出が加速していることもあり、聴講者はみな熱心で、活発な質疑応答や意見交換が行われました。続いてペルー・リマでは3か所で講演いただきましたが、そのラストを飾ったのは11月8日に実施された第3回ペルー全国5S大賞授賞式での基調講演でした(ペルー全国5S大賞については次の記事で紹介)。大賞受賞者や将来5S大賞参加を検討している企業関係者、学生などおよそ600人もの参加者が、ユーモアを交えた大森先生の講演に聞き入り、会場は大盛況でした。いずれの国も日本や5Sに対する関心は高く、大森先生の講演を通し日本的経営文化の核心に触れ、5Sへの意欲を一層高めてもらえる機会となりました。2016年11月にペルーとアルゼンチンで行われた同窓会のイベントを3つ紹介します。●ペルー同窓会50周年記念式典11月7日にペルー・リマの日秘文化会館大ホールにてHIDA/AOTSペルー同窓会の50周年記念式典が実施されました。式典にはAOTS(当時)の元研修生でもあるフェルナンド・サバラ首相、アルフォンソ・グラドス労働雇用大臣ほかペルーの政財界から多くの要人の臨席がありました。またHIDAの立石譲二専務理事やペルー同窓会のエルネスト・フルカワ会長と同窓会役員、歴代同窓会長、ベネズエラやメキシコのモントレイの同窓会長など総勢約130名の出席のもと盛大に執り行われました。●ペルー全国5S大賞授賞式翌8日は同じくリマの日秘劇場にて、第3回ペルー全国5S大賞授賞式が開催されました。同大賞はペルー同窓会の5S普及活動に端を発し、ペルー同窓会と日本大使館、JICA、JETRO、日系人会、日秘商工会議所で構成される設立委員会によって2014年から実施されています。ペルーでは「5Sはペルーの人と組織、ひいては国の発展につながる」という考えのもと、企業のみならずリマ大学や選挙過程管理事務所等の公的機関も5S活動に取り組んでおり、賞に参加しています。●アルゼンチン全国5S大賞授賞式10日は、アルゼンチン・ブエノスアイレス証券取引所ホールにて、第1回アルゼンチン全国5S大賞授賞式が執り行われました。同大賞はHIDA/AOTSアルゼンチン同窓会がペルー同窓会の例を学び、日本大使館、JICA、アルゼンチン日本商工会議所の他、産業・教育団体や現地の日系企業数社の協力を得て設立に至ったものです。授賞式の翌日には金賞受賞企業の工場見学が実施され、アルゼンチンらしさのあふれるクリエイティブな興味深い5S活動が紹介されました。同窓会のネットワークにより、中南米をはじめとして今後も多くの国で5Sが普及・発展することを期待します。 メキシコ・ペルー巡回セミナー「5Sを通じた日本的実践経営のすすめ」開催ペルー同窓会50周年記念式典及びペルー・アルゼンチンでの5S大賞ペルー、5S大賞にて講演される大森信教授ペルー同窓会50周年記念式典にてスピーチを行うサバラ首相メキシコシティでの巡回セミナーにて。最前列右から4番目が マルコス同窓会長、その右後ろが大森信教授、その左隣が立石HIDA専務理事アルゼンチン5S大賞金賞を受賞した Mimo&Co.の工場にて。5S大賞設立委員会長で同窓会メンバーのアレハンドロ・マクリ氏 (右から3番目)、オリビア・オガワ元同窓会長(右から5番目)、 ロベルト現同窓会長(後列左から5番目)

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