HIDAジャーナル9号(和文)

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7No. 9 AUTUMN 2016とになりました。資金面での制約があり、当社独自で長期の指導を行うことは難しいですが、HIDAの制度を利用することで長期指導が可能になりました。また、滞在時の保険など、生活面でのサポートも充実しており安心感もありました。2015年度と2016年度の専門家の派遣で、どのような 技術を身につけてもらう予定ですか。2015年度の専門家派遣で、モデリング制作やモーション制作の基礎を指導し、一定の成果を得ました。今回再度同じ専門家を派遣し、当社から受注したアニメ案件で制作経験を積ませながら、更に高度な技術の指導を行いCGアニメの品質向上を図る予定です。モデルはポリゴンと呼ばれる多面体で形成されていますが、昨年の専門家派遣で、MYANMAR51では1,000～5,000ポリゴンのモデリングを時間をかければ行うことが出来るようになりました。今回の派遣では20,000～100,000ポリゴンのモデリング制作技術を指導予定です。このレベルになると曲線はより滑らかに、凹凸はより細かく描写することが可能となります。またモーション制作については、現状では人が歩く場面などが制作できるレベルにあります。今回の目標はたとえばモンスターが吠える動作をしながら、しっぽを振ったり、体重移動をしたりするといった、複数の動作が同時に行われる複雑なアニメーションを制作できるようになることです。更に、今年度は後期処理の指導のため、もう一人別の専門家を派遣しています。後期処理とは、モデリング制作やモーション制作とは別に、映像上に炎や光を追加するエフェクト制作やキャラクターを背景上に載せたり色味調整をしたりする合成作業の総称です。この専門家はエフェクト制作スキルや合成作業スキルの指導を行い、CGアニメの品質向上を図ります。エフェクト作業では3Dモデルで作成した風景に、差し込む太陽光などの効果を付け加え、風景に説得力を与えたりします。一方、CG画像は様々な層（レイヤー）で構成されていますが、それらを重ね合わせ、各種調整や効果追加を行うことを合成（コンポジット）と呼びます。こうした技術を習得することで、よりリアルなアニメを作ることができるのです。たくさんの技術が組み合わさって普段目にするリアルなアニメーションが出来上がることがわかりました。ミャンマーの社員を指導するにあたって専門家の方が苦労された点はありますか。まず日本との文化の違いを感じたのは、ミャンマーでは親子の関係が日本よりはるかに緊密だということ、そしてミャンマーの親御さんは社員の仕事やその将来性について関心が非常に強いということです。社員に会社で働き続けてもらうためには、専門家が本人と家族の両方に仕事の意義や将来性をアピールし続けて、理解を深めてもらう努力が必要でした。社員だけでなく、家族からも職場に対する信頼を得ることが重要だと感じました。また、日本では当たり前ですが、最初は納期をしっかり守ることやグループで協力しながら作業を進めることを教えるのに苦労しました。一方で、知識や技術の吸収力はとても高く成長も早いので、教えれば教えるだけ個人個人の技術レベルも上がってきていますし、次第にチームで補い合って成果を出すこともできるようになってきました。また、徐々に専門家と現地の社員の間で率直に相談できる雰囲気ができ、作業がスムーズに進むようになりました。指導の成果が上がった要因はHIDAの専門家派遣制度を利用することにより、約6か月という長期にわたって指導を行うことができたからと考えます。時間をかけることでミャンマーの社員とお互いに理解を深めながら綿密に指導することができました。その結果、社員の大幅な技術力向上につながりました。ミャンマーの人の考え方の特徴などを考慮しながら 丁寧に信頼関係を築かれたのですね。最後に今後の 抱負を教えてください。個人の技術力向上も当然必要ですが、チームとして成長できるようにスケジュールを考えていきたいと思っています。納期を守りながら、品質を向上させることを目標とし、適切なワークフロー作りに重点をシフトしていく予定です。また、パイロット版アニメの売り込みは続けていますし、新しいオリジナルアニメの企画を提案し、制作を進めています。これらのアニメがミャンマーのテレビで放映されるのが大きな夢です。さまざまな方面からパイロット版に対する好意的なリアクションも出てきており、手ごたえを感じているところです。貴重なお話をありがとうございました。MYANMAR51がミャンマーで日本のアニメ文化流行の先駆けとなるよう今後のご活躍を期待しています。専門家（右端）から指導を受けるMYANMAR51のスタッフMYANMAR51スタッフの集合写真

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