HIDAジャーナル9号(和文)
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5No. 9 AUTUMN 2016本での受入態勢の整備については、社員の英語研修や教材の翻訳は着手していましたが、加えて研修生の宿舎や食事などの滞在費の支給方法や、病気怪我の対応など生活環境に対する助言もいただきました。研修生の来日後の対応については、研修計画に沿った計画的な指導と記録、指導員から研修生への定期的なフィードバック、研修生の理解度を図る工夫(レポート提出、作業をやらせてみるなど)など、研修の進め方についていただいたアドバイスも大変参考になりました。秋田工場での研修に先立ち、研修生はHIDAの東京研修センター(TKC)で行われる6週間の一般研修コースに参加しました。研修センターには同じ目的で来日しているアジアからの研修生が多く、安心でした。一般研修の最終日に秋田工場へ移動するために迎えに行った際、研修生の日本語力が思った以上に伸びていて大変驚きました。生活面でも基本的なことは一通り自分でできるようになり、秋田工場の社員にとっても親しみやすかったと思います。秋田工場での1か月の実地研修を経てフィリピンに 帰国されたわけですが、工場での研修は予定通りの 成果があがりましたか。6名の研修生は、各工程のリーダーとなる人材ですので、帰国後は現地社員を指導監督できるレベルまで製品の加工技術や品質管理、設備保全の技術を身に付ける必要があります。秋田工場のベテラン指導員が作業標準書等をもとに、工程毎の専門技術を現場ならではのノウハウを織り込みながら研修生にマンツーマンで丁寧に指導しました。研修生は鋼管製造の経験はありませんが、高品質、高精度を求められる自動車用エンジン部品の加工技術ですので、当社の品質マネジメントシステムや生産管理、製品の規格や非破壊検査、設備保全などについて、一つ一つ真剣に学んでいました。HIDAから事前に受け取っていた研修生と指導員の週報の書式を使い、研修生は日々の研修で修得した技術レベルや理解度などを丁寧なひらがなで書いていました。また、指導員は日々の指導結果の寸評を記録し、定期的なミーティングを通じて進捗管理を行うとともに、学んだ内容の定着度を高めるようにしました。HIDAの一般研修のおかげで研修生の日本語力は想像以上に伸びていて、コミュニケーションをとる上で大変助かりました。社内で英訳した標準作業書については、よりわかりやすくするため、実地研修中に作業動画を撮影し目で見るマニュアルも作成しました。今回の研修生は、工場の幹部として日本から赴任する工場長をサポートしますので、技術力に加え日本人の幹部との信頼関係も大事になります。できるだけ親身に丁寧に指導し、研修生への期待を感じてもらいたいと思っています。生活面については、JR横手駅近くのビジネスホテルを用意し、朝夕は社員が車で送迎しました。食事も特に問題なく、体調を崩すこともなく順調に研修ができたと思っています。いよいよ、これから現地で工場が立ち上がるときを 迎えますね。帰国した研修生は現地の工場の設備搬入に立会い、試作開始に向け頑張っています。日本から赴任している工場長も秋田工場の研修で研修生は自信を持ったようだ、モチベーションも高いと言っています。当面は、11月の商業生産を軌道に乗せることが最優先ですが、その後も人材育成は必要ですので、HIDAの専門家派遣制度などの活用も検討したいと思っています。本社、秋田、PNPM社の3工場連携のもと、初の海外進出に用意周到に取り組まれていることがよくわかりました。研修生たちがリーダーとして活躍され、立派な事業所に成長されることを願っています。本日は、ありがとうございました。鋼管製造工程での研修ミーティングの様子研修生と指導員

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