HIDAジャーナル9号(和文)
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HIDA JOURNAL4 HIDA人材育成事業の活用事例 受入研修制度の利用事例として株式会社西山製作所をご紹介します。同社は自動車や産業機械に使用される小径精密鋼管を製造しています。同社初の海外進出先であるフィリピン工場立上げに伴い、現地で立上げの核となる人材を日本に招聘し研修を行いました。海外進出の経緯や、初めて制度を利用された感想、研修の様子を伺いました。本 社: 神奈川県小田原市成田979秋田工場: 秋田県横手市雄物川町谷地新田字堤添50設 立: 1959年 (創業1949年)資本金: 9,500万円従業員数: 153名(2016年7月現在)事業内容: 小径精密引抜鋼管製造-初の海外進出を用意周到に準備-フィリピン工場の立上げ要員を秋田工場で親身に指導株式会社 西山製作所フィリピンに進出することになった経緯を教えてください。今年で創業67年を迎える我が社の目標は「100年企業」です。創業100年を目指し、更に発展を継続させたいと思っています。当社の製品は、自動車や産業機械に使用される小径精密鋼管で、インドネシア、マレーシア、タイ、中国などアジア各国へ輸出していますが、更なる成長を目指し、海外生産にチャレンジすることにしました。海外の工業団地を何か所も視察し、取引シェア、輸送コスト、競合他社の進出状況などを総合的に勘案し、最終的にフィリピンのタナワン市にある First Industrial Township(FIT)という工業団地に進出を決め、2015年8月に、PHILIPPINE NISHIYAMA PIPE MFG. INC.社(以下、PNPM社)を設立、初の海外進出を果たしました。2016年7月現在、現地では工場建屋が完成し、製造設備の搬入が始まりました。11月から自動車エンジン用小径精密鋼管の商業生産を開始予定です。初めての海外進出ということで、社内ではどのような準備をされたのでしょうか。海外進出のための準備委員会を設けて取り組んできましたが、情報収集や手続き面では独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)の専門家の助言を得るなどJETROの支援メニューを活用しました。先に述べたように、今年の11月には商業生産を開始するため、設備搬入、現地社員の採用、試作開始など準備作業が目白押しです。その中で、工場操業の核となる現場リーダーに当社の技術を教え、本格的な操業の際に現地社員を指導、監督する人材を確保しなければなりません。日本から赴任する工場長の右腕となって現地社員を指導できる人材が必要なので、鋼管製造の主要な6つの工程(伸管、切断、焼純、仕上げ、品質管理、保全)毎にリーダーを1名ずつ採用し日本で研修することにしたのです。面接には時間をかけ、大学卒で27歳から33歳までの男性4名、女性2名を日本に派遣するリーダー候補の研修生として採用しました。みな実務経験のある優秀な人材です。一方、研修生を受け入れる秋田工場では、各工程でそれぞれ製造ノウハウや管理標準の考え方を指導するため、社内の標準作業書を英語に翻訳し、日本での研修に加え、現地で標準化の考え方の指導を行う際にも活用できるようにしました。また、研修生とのコミュニケーションを図るため、研修指導員をはじめ工場の関係部署の社員には、毎週1回外部講師をよんで英会話のレッスンを受けさせました。これは2年前から始めて今も続けています。JETROの支援メニューを活用しながら、着実に海外進出の準備を進められたのですね。HIDAは人材育成事業を長年実施していますが、HIDAの制度を利用されてみていかがでしたか。当社にとって初の海外進出ですので現地社員の育成ノウハウが不足していました。そこでHIDAのホームページを見たり、事業説明会に参加したり、JETRO専門家にも相談し、経験豊富なHIDAの制度を使ってみようということになりました。HIDAの受入研修制度に申し込んだところ、HIDAの担当者が秋田工場を訪問され、事前準備の重要性や研修の記録、研修生へのフィードバック、生活環境の配慮まで、次のような具体的できめ細かいアドバイスをいただきました。事前準備としては、将来のPNPM社の核となる優秀な人材を採用し、更に日本での研修目的、研修計画を理解させ、研修への動機付けをしっかり図ることが大切とのことでした。日
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