HIDAジャーナル9号(和文)
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HIDA JOURNAL102016年6月10日、昨年10月にHIDAの新たな海外拠点として開設したミャンマー・ヤンゴン事務所の開所式を行いました。ヤンゴン事務所は、タイ・バンコク、インドネシア・ジャカルタ、インド・ニューデリーに次いで4か所目の海外事務所になります。式典には、日本・ミャンマー両国の政府機関、産業団体、研修生派遣企業、専門家指導先企業、同窓会、帰国研修生をはじめとした関係者に加え、同じASEAN域内によりタイ同窓会、マレーシア同窓会の代表者が駆けつけ、総勢約140名の方々が出席されました。HIDAの金子理事長(当時)は冒頭の挨拶でHIDAとミャンマーの関係の深さに触れ、これまでのHIDAへの研修参加者は7,000名を超え、ミャンマーに派遣された日本人の専門家も200名を超えることを紹介しました。更に、ミャンマーへの日本企業の進出が急増している中、国内の産業インフラ整備と、経済活動を担う産業人材育成が今後のミャンマーの重要な課題であり、HIDAは引き続きミャンマーへの人材育成支援を通して日本・ミャンマー両国の発展に貢献していくことを述べました。式典には来賓として、ミャンマー連邦共和国工業省キン・マウン・チョー大臣、樋口建史駐ミャンマー日本国特命全権大使、ミャンマー商工会議所連盟(UMFCCI)ウィン・アウン会頭らにご臨席いただきました。来賓の祝辞においては、キン・マウン・チョー工業大臣からは、「これまで多くのミャンマーの産業人材がHIDAの研修や専門家派遣事業を通じて知識、技術を身に着けることができたことに感謝するとともに、これからも引き続きミャンマーの人材育成を幅広く支援してもらいたい。」とHIDAへの感謝と要望を頂戴し、ヤンゴン事務所の開設を歓迎してくださいました。続いて樋口建史駐ミャンマー日本国特命全権大使からは、「日本政府はミャンマーの新しい政権を全力で支援し、ミャンマーの経済発展を支えていくので、HIDAには引き続きミャンマーの人材育成面で重要な役割を担ってもらうよう期待する。」と激励のお言葉を頂戴しました。開所式の後には記念講演会を行い、東京工業大学名誉教授でミャンマー教育省の政策アドバイザーを務める牟田博光先生より「ミャンマーにおける人材育成の現状と課題」(8-9ページでご紹介)、HIDA-AOTSミャンマー同窓会副会長兼ミャンマー商工会議所連盟(UMFCCI)共同事務局長のカイン・カイン・ヌエ氏より「ミャンマー海外投資と人材育成の必要性」と題するご講演をいただき、ミャンマーの人材育成に関する最新の動向について解説いただきました。(ヤンゴン事務所長 江口健一郎) カイン・カイン・ヌエ氏講演要旨ミャンマーでは、対外貿易を活発化させるため、国内企業の競争力強化及びビジネス環境の整備・向上を目的に、「国家輸出計画(NES2015-2019)」を打ち出しています。ただ、ミャンマーの国内産業だけでNESの目標を達成するのは難しく、海外投資により、技術やビジネス慣習が移転されることを期待しています。また、現在ミャンマーで大半を占めている中小企業の発展にはスキルワーカーの育成、キャパシティビルディングとともに基礎教育と職業訓練の充実・強化も必要です。また、人材育成の内容は各産業に求められる人材の要件に見合ったものである必要があり、更にそうした人材育成プログラムは大都市だけでなく、広く他地域にも展開されることが重要です。 キン・マウン・チョー工業大臣スピーチ要旨ミャンマーの産業人材育成への支援を通し、ミャンマー・日本両国の友好関係が深まっていることに対してHIDA及び日本政府に感謝しています。HIDAはミャンマーの各省庁や産業団体と協力し、様々な人材育成事業を行っており、その支援内容にミャンマー政府としてとても満足しています。工業省に対しても、HIDAは国営企業の経営改革や経営改善に関する研修や産業人材育成政策に関するワークショップを実施しており、参加した工業省職員や国営企業関係者、民間企業、特に中小企業の経営者・管理者は学んだ知識を活かし我が国の発展のために貢献しています。人材育成は我が国にとって重要な課題であり、私自身はミャンマーはHIDAの支援によって発展していくものと信じています。これからもHIDAにはミャンマーの人材育成を幅広く支援してもらいたいと思っています。 ヤンゴン事務所開所式を開催テープカットの様子

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