HIDAジャーナル7号(和文)
15/20
No.7 AUTUMN 2015 13HIDA NEWS2015年2月、経済産業省からの委託事業としてHIDAが実施した研修に参加するためミャンマーのゼヤー・アウン・エネルギー大臣が来日し、その折に金子理事長と懇談されました。ミャンマーといえば、2011年に軍事政権から文民政権へ移行して以来、急速な経済成長を続けています。今年7月にはヤンゴン市内から南東へ約20キロの位置にあるティラワ経済特別区の一部が完成し、ミャンマー初の国際水準のインフラを備えた用地として外資系企業から注目を集める一方、優秀な現地人材の確保が課題となっています。このような背景のもと、HIDAはミャンマーへの人材育成支援を強化してきました。UMFCCI(ミャンマー商工会議所連盟。2012年に産業人材育成協力に関する覚書をHIDAと締結。)とも協力しながら、昨年度だけでも日本国内外で約1,000名のミャンマー人に対して経済産業省の委託を受けて研修を実施しました。特にエネルギー分野においては過去3年間の委託による研修生が約300名にも上ります。ゼヤー・アウン大臣からは、「様々な投資の中で長期的には人材育成が最も重要だと個人的に考えている。良い人材がなければ、経済の発展は実現不可能である。ミャンマーのエネルギー分野の人材育成に対するHIDAの貢献度は高く、大変感謝している。今回の来日でHIDA研修生の仲間入りができて非常に嬉しく思っている。」とのお言葉がありました。ゼヤー・アウン大臣からのお話を受け、金子理事長からは「ミャンマーの研修生は非常に熱心で意欲があり、かつ優秀である。引き続きミャンマーの人材育成に積極的に協力していく。」との発言がありました。ミャンマーのゼヤー・アウン・エネルギー大臣とHIDA金子理事長が懇談インド・ラジャスタン州産業開発・投資公社と産業人材育成分野における協力覚書を締結2015年4月6日、HIDAはインド・ラジャスタン州産業開発・投資公社(The Rajasthan State Industrial Development & Investment Corporation Limited、以下 RIICO)と産業人材育成分野における協力に関する覚書を締結しました。本覚書の締結は、同日に行われた宮沢経済産業大臣とラジャスタン州のラジェ州首相との産業協力に関する覚書の締結に合わせて行われたもので、調印式ではラジェ州首相をはじめとするインド側関係各位のご臨席のもと、ヴィーン・グプタRIICO総裁及び金子理事長が署名しました。本覚書では、産業人材育成での協力を通じたラジャスタン州と日本の相互経済発展と友好関係促進への貢献を目的とし、ラジャスタン州における産業界の技術レベルや経営能力を向上させ、同州の持続的な成長に寄与すべく、RIICOとHIDA双方のスキームとノウハウを活用した共同事業を推進することとしています。1959年の創立以来、HIDAがインド向けに行った研修の参加者は29,000名に上り、インド国内にはHIDAの帰国研修生による同窓会が9つあります。今回の覚書締結が、ラジャスタン州における産業人材の育成、そして同州と日本の相互経済発展と友好関係の促進に資するものとなるよう、RIICOとの協力を進めてまいります。左から、ゼヤー・アウン・エネルギー大臣、金子理事長左から、金子理事長、ヴィーン・グプタ総裁覚書締結後の記念撮影■ラジャスタン州ラジャスタン州はインド北西部に位置する州でインド最大の面積を持ち、州都はジャイプル。同州は、日本政府が支援しているデリームンバイ大動脈構想(DMIC)の一部で、産業開発・産業集積の要地の一つである。ラジャスタン州産業開発・投資公社(RIICO)により開発されたニムラナ工業団地は、デリー空港から南西に約105kmの同州北東端でハリアナ州との州境から程近い場所に位置し、2006から2009年まで日本企業限定で分譲された工業団地で、デリー南方の新興都市ハリアナ州グルガオンの工業団地に並び、日本企業が集積している工業団地である。現在、第二期日本企業専用工業団地が開発されている。■ラジャスタン州産業開発・投資公社(RIICO)は1956年に設立された国営企業を前身とし、1980年に設立された。工業団地開発等を中心に州の産業開発を推進し、また大企業・中小企業への融資等金融機関としての機能も持っている。ラジャスタン州
元のページ