HIDAジャーナル7号(和文)
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No.7 AUTUMN 2015 11タイをハブ拠点として、金型需要が高まるアジア圏を強化するのですね?そのとおりです。当社は、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、台湾、韓国にネットワークを広げており、アジア圏内の拠点を繋ぐ「SET ASIA」を設立しています。2014年には、「SET ASIA」グループとして、マレーシア自動車メーカーの新型車向けにステッチ柄を施したシボ加工を作り上げました。その中心となったのが前述のタイにある2つの子会社です。さらに、当社は2014年にフィリピンにも日系シボメーカーとして初めて進出しました。技術は日本とタイから導入し、ほぼすべての日系・欧米系のシボパターンをフィリピンで加工できます。自動車メーカーでは頻繁にモデルチェンジが行われており、新しいデザインを提供していかなければなりません。タイ子会社で新しいシボ加工を作り上げて顧客に提供できるよう、今後もタイ拠点の人材育成を継続的に行っていく計画です。研修生の実地研修の様子を教えていただけますか?研修生の選考は、タイ子会社で少なくとも1年以上の勤務経験があり、シボ加工の基礎技術が分かっている者の中から適性をみて選考しています。現在、同社ではすでに大卒のマネージャー層ができあがっているので、大卒者の募集は行っていません。今回来日した研修生5名も高卒又は専門学校卒で、現場での第一線監督者となる見込みの者です。4月に来日し、HIDAでの6週間の一般研修に参加した後、当社の国内3工場(名古屋、埼玉、横浜本社・工場)を回って、12月まで研修します。日本は受注した製品パターンも多様なので研修題材が豊富にありますし、熟年のベテラン技術者が多いので研修生の指導にも十分な対応が取れます。3工場すべてでシボ加工を行っていますが、工場ごとに顧客が異なります。同じシボ加工とはいえ、自動車メーカーによってシボのパターンが異なり、メーカーごとの特徴があります。各工場に顧客別の得意な技術が蓄積されているので、名古屋工場の技術者が、埼玉工場の加工業務を簡単に引き受けられるかというと、実際には難しい面もあり、日本人技術者の間でも工場間での仕事の融通をつけるのが難しいのが実際のところです。一方、タイ子会社ではすべての日系自動車メーカー向けにシボ加工を行っているので、日本の3工場を2ヵ月ベースで回って、必要な技術を万遍なく学べるようにしています。研修生は、簡単な日本語であれば聞き取ることができます。また、名古屋工場長をはじめ、今回の研修生指導員や工場内の日本人社員の中には、タイ語ができる者が多いので、研修生に対しても日本語とタイ語を混ぜて話しかけていることが多いです。当社は、2001年に1つ目の子会社を設立する以前からタイのローカル企業と業務提携でシボ加工を行っており、タイとの関係は1995年にまでさかのぼります。タイとの関係は深く、多くの日本人技術者が出張でタイに技術指導や営業に行っていたため、社員の中にもタイ語を覚え、タイ人のことをよく知っている者が多いのです。タイ人研修生にとって、非常に温かい研修環境になっています。今後の研修計画について聞かせてください。近年、インドネシアでも国内自動車販売が増加しており、タイに次ぐASEAN最大の自動車市場を形成しています。日系の自動車メーカーやサプライヤーもタイでの事業基盤を維持しつつ、市場の拡大に合わせてインドネシアでの生産を拡大させています。多くの日系企業がインドネシアをタイに次ぐ第2のグローバル向け部品供給拠点として位置付けており、その重要性はますます高まっています。そこで、2012年に当社とタイ子会社が共同出資してインドネシア子会社(PT. SET INDONESIA)を設立しました。世界中に社員を派遣して技術指導や顧客対応ができるほど成長したタイ子会社と同じように、インドネシア子会社の技術者にも日本で研修する機会を与え、技術力を高めていってもらいたいと考えています。御社のグローバル事業を支えているタイ人技術者の活躍や、タイを中心とするアジア展開について、具体的なお話を伺うことができました。本日はどうもありがとうございました。タイ人研修生の実地研修の様子タイ人技術者が取り組んだマレーシア・プロトン社向けのシボ加工新興市場開拓人材育成支援事業

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