HIDAジャーナル6号(和文)
8/28

HIDA JOURNAL6 受賞事例紹介 大賞3名■ パウロ・セザール・カマルゴ氏(ブラジル)「あきらめない心で夢をかたちづくる」1995年に入社した日系のカメラメーカーを皮切りに、金型を中心としたキャリア形成をはかる。2005年に設立間もないプラスチック金型製造業者に入社。当初から多くの日系企業と取引していたが、後年、役員として国際競争への対策に迫られる。その折、サンパウロ同窓会を紹介され、2007年初めに金型産業経営管理者研修コースに参加。研修で日本の同業者が競争ではなく、金型工業会を通じて技術的な事柄から新規顧客の紹介に至るまで、互いに助け合う姿に強い印象を受ける。帰国後、同様の組織の立ち上げに奔走。当初は関心が低かったものの、次第に自らの問題解決を求める金型業者から、業界全体の底上げを目指す姿に共感が寄せられるようになる。HIDA、サンパウロ同窓会、さらには日系企業から講師派遣など多大な協力を受け、2011年9月についにABINFER(ブラジル金型工業会)の開設にこぎつけた。ABINFERは金型関連政策で政府に具申する立場を得るなど、国内での地歩を固めつつある。これからはブラジル金型産業を諸外国にPRしていきたい。また個人としては、同窓会を通じ、日本での学びを他に伝えたく思っている。■ サラット・ブッダダサ氏(スリランカ)「PSREの学びで改良した新規事業創出 プログラムが『タミール・イーラム解放の虎』元兵士を起業家に変えた!」政府、NGOなどを通じ、内外の中小企業向けの戦略立案、起業、研修などのサービスを提供するコンサルティング会社のCEO。数は多いものの、雇用と付加価値への寄与が低い国内中小企業の振興に、2002年初めに参加したスリランカ中小企業研修コースで得られた知見を活用。中退者、職業訓練学校の生徒などを対象に起業家向けのプログラムを提供し、大きな成功を収める。2009年の内戦終了後、元ゲリラ兵士に社会復帰後の自活を促すべく模索していた政府に対し、「マイクロビジネス起業」を提案し、賛同を得る。先述の起業家向けプログラムの内容に、内戦に対する中立的立場と第二次世界大戦後の復興が広く知られた日本の社会に特有の要素を追加したプログラムを、内戦が激しかった北部のキャンプで2011~2012年にわたり10本実施した。参加した元ゲリラ兵士は360名にのぼる。加えて、外部資金の導入により社会復帰時に起業資金を提供したところ、半年後の起業率は56%となり、著しい成功を収めた。起業分野は自転車修理、宝石製作、小売りなど。戦乱を受けた地域であれば、このモデルはどこでも実施が可能であり、その意味でも日本は社会変革のロールモデルとなりうる。■ タルン・ランバ氏(インド)「日本とのパートナーシップを通じた インドでの事業の成功」CEOを務めるImperial Auto Industries は従業員数5,000名を擁し、国内14か所に拠点を構える。1991年に当時横浜に

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です