HIDAジャーナル6号(和文)
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23No. 6 SPRING 2015NEWS2014年8月30日にHIDA東京研修センターの講堂を会場として、「看護・介護にかかわる外国人のための日本語スピーチコンテスト」を開催しました(主催:HIDA、共催:独立行政法人国際交流基金、京都大学ケアの国際化研究会、NPO法人AHPネットワークス。ほか関連団体・企業からの協賛)。当日はインドネシア、フィリピンから来日し病院や介護施設で働く10名の発表者が日本語のスピーチを行い、160名を超える観覧者が熱心に耳を傾けました。HIDAは2008年度より二国間の経済連携協定(EPA: Economic Partnership Agreement、以下EPA)に基づき来日した看護師・介護福祉士候補者に対して日本語等の研修事業を行っています。来日した候補者は、日本語等の研修を受けた後、全国の病院や施設で働きながら日本の国家試験の合格を目指さなければなりません。しかし、外国で働きながら語学と専門分野の学習を同時に続けることは並大抵のことではありません。そんな彼らが日頃どんなことを考えて日々の業務に向き合っているのか、彼らの目に日本の看護・介護現場はどのように映るのか、彼らの思いを日本人に知って欲しいということがきっかけとなり日本語スピーチコンテストを企画し、今回は3回目の開催となりました。開催にあたってはEPAで来日した候補者だけでなく、既に国家試験に合格した方や、日本に定住しながら看護・介護の現場に従事されている外国人の方を対象に広く原稿を募集しました。今回発表した10名は、事前の原稿審査で選考された方たちで、驚くほど達者な日本語で堂々とスピーチを披露し、内容も独自の視点が盛りこまれたものばかりでした。観覧の方たちは、笑ったり、涙ぐんだり、拍手したりと長い時間にもかかわらず集中して発表に耳を傾けてくださり、来場者同士の交流も生まれて、とても有意義な時間となりました。また、ちょうどHIDAで研修中の2014年度のEPAの候補者も会場に訪れ、看護・介護の現場で活躍する先輩達の話に大いに刺激を受けた様子でした。観覧者からは「発表者の仕事に対する真摯な考えに感動した。」「日本語が上手でびっくりした。自分にこのようなことができるかと考えさせられた。」等々の声が寄せられました。いずれも素晴らしい発表に審査も難しい様子でしたが、次の通り3名の方が受賞されました。審査委員の先生方からは、内容が優れている発表と、プレゼンテーションが優れている発表があり、その点では滞在期間が長い人に一日の長があったかもしれないこと、自国のイスラム文化を背景とした豊かなコミュニティーのつながりを紹介し、日本における老人介護や認知症予防におけるコミュニティーの活用を訴えたスピーチなどのように、これからも外国人ならではの視点を活かして日本人に知識を伝えて欲しいといったコメントをいただきました。日本語スピーチコンテストを実施しました発表者10名で記念撮影。写真中央は金子和夫HIDA理事長。 受賞者3名の発表要旨第1位 パラデロ・モン・アンジェロ氏 「新たな挑戦」身に着けた日本語力と看護・介護の専門知識を活かし、地域の医療・福祉通訳講座講師としてのボランティアを始めた。介護福祉士としての業務に加え、この分野で貢献することを自らの成長のための “新たな挑戦”と位置付けている。
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