HIDAジャーナル6号(和文)
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HIDA JOURNAL20 インド女性ビジネスリーダー研修コースにて 公開シンポジウムを開催 HIDAは2014年11月17日から5日間の日程でインド女性ビジネスリーダー研修コースを実施しました。本コースは2014年3月に駐日インド大使がHIDAを訪問された際、女性を対象とした研修の重要性について言及されたことが契機となり実現したもので、HIDAとしても女性のみを対象とした初めての研修となりました。11月20日には、コースの一環として、イイノホール&カンファレンスセンターにおいて、「女性がより輝く社会づくり」をテーマに公開シンポジウムを開催しました。シンポジウム当日は企業の女性経営者、幹部を中心に約40名の参加者が会場にお集まりくださいました。基調講演の部 石倉洋子名誉教授の講演要旨現在は世界規模で不確実要素の多い現象が起こっており、直面したことのない転換を迫られている。そのような環境で成功するためには競争力を高める必要がある。競争力の源泉となるイノベーションは立場が異なる人から新しい考えを取り入れることから生まれるが、その点において女性の参画は必須である。しかし女性の社会進出には多くの課題がある。女性はいまだに家事、育児、介護を担わなければならず、仕事との両立が困難という社会的問題。時間で評価する評価システムや長時間労働などの日本の企業慣行。また昇進に二の足を踏む傾向が高いという女性個人の課題もある。解決策は、業績重視の評価制度の導入といった企業の制度変更のほか、技術を駆使した解決策も考えられる。例えば今は技術進歩のおかげで在宅勤務も可能である。また事務作業の一部はロボットで代替できるが、その代わりに新しい仕事が生まれる可能性もある。孤立感を覚え組織内にロールモデルがいないと悩む女性もいるようだが、ITを活用して広く情報を集め参考にすればよい。更に生涯勉強をし続け、失敗してもそこから学んでまたチャレンジするといった精神も大切である。 Vanitha Datla氏講演要旨インドでは教育のある女性でも結婚して家庭に入ることが一般的。自身も18歳で結婚し夫と共に渡米。キャリアを追求したいという思いから在米中に大学に通い保険会社に就職。帰国後一旦家庭に入ったのち、家業の計測機器メーカーに加わった。米国で学んだ経験から常にイノベーションの視点を持つことで企業を成長させることができた。我が社は、女性を支援する様々な施策を設けている。賃金、昇進とも男女平等で社員数もマネージャーも女性が半分を占める。出産や家族の転勤といった事情があっても仕事を続けられるよう、産休、育休の制度を整え、在宅、遠隔地の勤務を認めている。しかしインド国内は、いまだに「家族の重荷」である女性を早く結婚させたがり、そのために女性は教育を受ける機会を奪われ、女子が学校に通う平均年数は1.2年である。女性の社会進出の支援策はまず女子に対する教育を義務化させることである。そのほか、自身はインド工業連盟のイ多くの女性参加者の前で主催挨拶をする金子和夫HIDA理事長経済産業省より福地真美室長からご挨拶をいただく石倉洋子一橋大学名誉教授ご自身も女性外交官として活躍されるワドワ駐日インド大使シンポジウムは金子和夫HIDA理事長の主催挨拶から始まり、経済産業省経済産業政策局の福地真美経済社会政策室長、ディーパ・ゴパラン・ワドワ駐日インド大使より来賓ご挨拶をいただきました。基調講演には一橋大学の石倉洋子名誉教授、研修参加者でもあるELICO LTD.(計測機器製造)役員Vanitha Datla氏お二方をお迎えしました。続くパネルディスカッションでは日印のビジネスリーダーにも参加いただき、パネルディスカッションを行いました。

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