HIDAジャーナル5号(和文)
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3No. 5 AUTUMN 2014と15~20度に常時保っておかなければなりません。材質は顧客の注文によって様々ですから、都度最適な成分や温度が異なり、それらを判断するには経験が必要です。検査技術も重要です。めっきに不具合があれば、成分や温度に問題がある可能性があるわけですから、めっき液の調整とは車の両輪の関係です。不良率は日本では100万個に10個程度ですが、フィリピンだと10%にもなるケースがあります。これは単に品質が悪いということだけではなく、実際は問題ない程度でも、現地の検査担当者が安全をみて不良にしてしまうことから来るようなのです。現地社会では一度失敗するとすぐに減給や解雇につながりますから、神経質になっているのでしょうね。そういう背景ですから、適切な不良品の見分け方を修得することも、無駄を排除しエネルギー削減に資することになるのです。研修は順調ですか?はい、順調に進んでいます。今後の業容拡大を睨んで、現在フィリピンで行っているものとは違う種類のめっき工法についても幅広く経験を積んでもらっています。研修・生活態度は良好で特に問題ありませんが、研修は主に日本語だけで行っているので、意思の疎通がしにくいという問題はあります。女性二人で同じアパートに住んでいて、一緒にいる時はいつも現地語(タガログ語)で話しているため、もっと日本語を使うように伝えています。研修も初めは二人一緒に行っていましたが、途中から場所を分けました。休日などはできるだけ当社の社員が外へ連れ出して日本語を使ってもらうようにしています。将来は彼女たちに現地で日本人と現地スタッフの橋渡し役を果たしてもらいたいので、言葉の問題は重要ですね。大変ですね。言葉の問題はどの研修現場でも多かれ少なかれ発生します。HIDAも今回の研修生が参加した標準的な一般研修6週間コースの他、高度な日本語が必要な研修生のための13週間コース、さらにeラーニング教材も用意して日本語の学習機会を整えていますが、今後さらに拡充していきたいと思います。お話をお伺いし、フィリピンの現場を熟知されている方が指導にあたられ、品質向上やコスト削減のために、まさに現場で求められている技術について効果的な研修を実施されていると感じました。本日は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。検査室にて、原事業企画室長とMadelさん指導員の松橋さんからめっき液の成分について説明を受けるJoyceさんJoyceさん研修で学ぶことには難しいこともありますが、指導員の方が一部英語も交えながら根気強く説明してくださるので、基本的に全て理解できていると思います。日本語は確かに難しいですね。二人でいるとどうしても現地語で話してしまうのですが、会社の人とはなるべく日本語で話すようにしています。Madelさん生活でも特に困ったことはありません。休日は主に教会へ行ったり、仙台の町へ買い物に行ったりしていますが、時々会社の人がご自身のご家族と一緒の外出に誘ってくださることもあります。会社の方にはいつも気に掛けていただいて感謝しています。研修や日本での生活について一言いただきました。VOICE*低炭素技術輸出促進人材育成支援事業エネルギーインフラ等の運営保守管理人材や、海外工場の生産プロセスの省エネ化に資する人材の育成支援を通じて、CO2排出削減や、我が国企業の海外市場開拓に資することを目的としています。 当事業は、開発途上国だけでなく、欧米・中東諸国等も含む世界各国・地域が対象になります。事業にご関心のある方は、本誌の裏面広告をご参照ください。

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