HIDAジャーナル5号(和文)
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HIDA JOURNAL2 HIDAの人材育成事業活用事例 海外進出を検討されている企業にとって、現地の人材育成は海外進出成功のための必須課題と言えます。HIDAではこの現地の人材育成のため、技術者を日本に招聘して行う受入研修と専門家を現地に派遣して指導を行う専門家派遣の2つの制度を通して企業の海外進出を支援しています。これらの制度を活用し現地の人材育成に携わられている企業の事例をご紹介します。最初に受入研修制度の事例として、仙台市に本社を置き、めっき加工をはじめとする金属表面処理や超精密加工を手がけている株式会社ケディカをご紹介します。株式会社ケディカは、2003年にフィリピンのバタンガス州ファーストフィリピン工業団地(FPIP)にケディカ・フィリピンズ・コーポレーションを設立しました。その後、2006年及び2007年度にHIDA(当時のAOTS。以下、HIDA)の受入研修制度を通じて派遣元企業であるケディカ・フィリピンズ・コーポレーションより2名の研修生を受け入れ、現地人材の育成をしています。現在同社では、2014年度に新しく始まった低炭素技術輸出促進人材育成支援事業*における受入研修制度を利用し、フィリピン工場での生産プロセス改善による品質の向上と消費エネルギー削減につなげるべく、研修を実施しています。そこで、今回は人事担当と現場の指導担当の方に、今年度の同制度ご利用の経緯や研修の様子、これまで招聘した研修生の帰国後の活躍などを伺いました。本  社 : 宮城県仙台市泉区明通3-20設  立 : 1946年資本金 : 4,800万円従業員数 : 140名(2014年4月現在)事業内容 : めっき加工をはじめとする表面処理や超精密加工等を手がける総合表面処理メーカー検査技術を磨きコスト削減を目指す株式会社ケディカ過去に日本で研修を受けた方々の現在の様子はいかがでしょうか?2名のうち1名は家庭の事情で帰国後数年して辞めてしまいましたが、もう1名は現場のキーパーソンとして活躍しています。HIDAでの研修で助かったのは日本語を習得できたことです。技術もさることながら、現地に赴任している日本人社員は必ずしも英語が得意ではないものですから、日本語がある程度できる現地社員が要所にいてくれると大変助かるのです。HIDAについては、2006年以前から専門家派遣制度(当時のJODC。以下、HIDA)も利用していました。受入研修とあわせて利用しており、私自身専門家として今年3月まで現地で指導していました。今回の受入研修を行うことになった経緯を教えてください。現地では顧客である日系企業からの品質や納期に対する要求がより一層厳しくなっています。また、競争も激化しているのでコスト削減の必要性がこれまで以上に高まってきているのです。めっき工程では洗浄用及びめっき液用に大量の水を使用し、その水を常時適温に保っておく必要があり、湯洗用水や一部めっき液などは、常時高温に保っておく必要があります。加温のため多量の軽油を焚かなければならず、その燃料代がコストの中で大きなウエイトを占めるのです。そこで今回、軽油使用量削減を目指し、めっき液の温度や成分を最適化する技術の修得を主な目的とした研修を行うことにしたのです。研修の内容は具体的にはどのようなものでしょうか?今回は2名の研修生を受け入れています。1名(Joyce Urquiola Abrilさん)はめっき液の成分調整、もう1名(Madel Francisco Malanaさん)はめっきをした製品の検査技術を中心に学んでもらっています。2名ともめっき工程に必要な管理技術についても一通り学んでもらいますが、コスト削減のための省エネに直結する要素を多く含んでいます。めっき液は、めっきをする金属の材質によって、成分や必要とされる温度が違います。例えばニッケルだと90度程度、錫だ

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