HIDAジャーナル5号(和文)
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23No. 5 AUTUMN 2014 来日:HIDAでは二国間の経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)に基づきインドネシア人及びフィリピン人看護師・介護福祉士候補者を受け入れ、本年度も6か月間の日本語等研修を実施しています。6月にインドネシア人候補者187名(看護師候補者41名、介護福祉士候補者146名)及びフィリピン人候補者183名(看護師候補者36名、介護福祉士候補者147名)が来日しました。ジャカルタ、マニラから日本へ大人数の移動でしたが、航空会社、入国審査等空港関係者のご協力の下円滑に来日することができました。候補者の間では各グループリーダーによる点呼、引率者への報告など規律ある行動が目立ち、訪日前日本語研修*にて培われた仲間意識や自律意識が充分に発揮されました。* 国際交流基金がジャカルタ、マニラで実施する来日前の6か月間の研修(EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者に対する日本語予備教育事業)。 研修開始:研修の開講式には在日大使館、日本・現地側関係省庁、就労先の病院・介護施設ご担当の方々をお招きし、候補者は正装して参加しました。候補者代表の挨拶では、各代表ともに流暢な日本語で各国政府や関係機関への感謝を述べるとともに「夢にまで見た日本に本当にやってきた」、「空港で入ったトイレに色々なボタンがあって驚いた」、「家族や親せきと離れて寂しいが、仕事で困らないよう日本語を勉強して、最後はみんなで国家試験に合格したい」、「寂しくて、あきらめたい気持ちになることもあるだろうが、落ち込まないで、もう一度自分の夢を考え、目的を思い出したい」など日本へ来た感想や抱負を述べました。また、開講式に続く就労先の方々との懇談会では、初対面で緊張しつつも頑張って日本語で会話をしました。 研修内容:HIDAの研修はジャカルタ、マニラでの訪日前の日本語研修を引き継ぐ形で実施しています。日本での生活及び就労に必要な日本語、日本の文化や職場でのルール、就労開始後に自律して学習を継続できる能力の育成などを中心としたカリキュラムです。また、候補者が主体的に自らの生活を規律できるよう、各種委員会活動等を取り入れて自律(自立)性を育むなど、生活のあらゆる場面を研修機会として活用しています。 日々の生活:研修は月曜から土曜までの毎日、朝9時から夕方4時半(土曜日は正午)まであります。宿題も毎日課され、予習・復習は必須です。研修が始まってほどなく、6月下旬から1か月間「Ramadanラマダン」(断食月)があり、イスラム教徒である大半のインドネシア人候補者はその間断食をしました。蒸し暑い梅雨の最中、日の出から日没まで飲まず食わずで頑張りました。毎日の研修の合間にはパーティーやスポーツ大会等各種イベントで息抜きもしています。フィリピン人候補者はエンターテイナーが多く、即興での踊りも様になっていて、感心するばかりです。日本での新しい生活が始まり3か月が過ぎるところです。異文化適応プロセスでいうところの興奮期が過ぎ、色々な現実が見えてくる頃です。それぞれの夢を忘れずに日々精進している候補者を、HIDAは温かく見守りたいと思います。インドネシア及びフィリピンの看護師・介護福祉士候補者の研修がスタートフィールドワーク(交通機関を利用し買い物などの課題をこなすことで、日本での生活力を身に着ける)の発表をする候補者たち和室で日本の生活習慣を学ぶ候補者たち

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