HIDA JOURNAL 2014 SPRING No.4
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No.4 SPRING 2014 7Imperial AutoIndustry, Ltd.(IAI)· Lamba氏:役員東海ゴム工業(株)(TRI)出資進出インド日本Tokai ImperialRubber IndiaPrivate Limited(TIR)· 山田氏 :社長(2013年3月まで)· Lamba氏:役員売買取引出資東海ゴム工業株式会社は1929年に愛知県小牧市に設立され、今では海外23ヵ国に拠点を設け防振ゴム・ホース等自動車用部品や事務機器向け精密部品などを世界に供給しています。同社は日本の自動車用ホースメーカーとして初めてインドに進出し、2005年にIAIとの合弁会社(TIR)を設立した後、2013年には建設機械向け高圧ゴムホースの合弁事業をIAIとの間で開始しました。東海ゴム工業株式会社のインド現地法人(TIR)の社長を2013年3月まで務められた山田純一氏(現在は国際事業推進部長)にIAIを合弁パートナーとして選定した時のお話などをお伺いしました。Lamba氏が1991年に初めて来日したときに学んだ3つの柱を帰国後に日々実践してきたことが、現在のTIRでのビジネスで大きく花を開いたともいえます。[取材日:2013年12月13日 聞き手:企画部 経営戦略グループ長 多賀寿江]――インドに進出するにあたり、IAIを合弁パートナーとして選んだ決め手は何だったでしょうか。当社は、2002年に国内の自動車メーカーからホースの製造をインドで行ってほしいという要望が受けたことをきっかけにインドへの進出を考えるようになりました。当初は、インドでパートナー探しをするにあたり、評判の良いインドの会社のなかからIAIを選び、3年間ほど当社で製造したホースを輸出し、IAIで切断して商品を顧客先へ納入するといった売買取引を行い相互の信頼関係を深めました。インドでは顧客の立場に立つよりも自社の短期的な利益に注力する会社が多かったのですが、IAIは商品の品質に不具合が発生した時の対処方法等に誠実さがあり、合弁パートナーとして信頼するに値する会社であると判断しました。IAIの会長やLamba氏との個人的な信頼が醸成されていたこともビジネス上良い影響を与えていたかもしれません。また、Lamba氏自身は、インド国内の業務だけではなく欧米など外国企業との取引にも携わりOpen Mindをもった方でしたし、若いころ半年間ほど日本の大阪や静岡などに滞在した経験をもつ親日家であったことも、信頼性をベースにIAIと合弁事業をするに至った要因のひとつといえます。――IAIやTIRの生産管理、品質管理は御社からみてどのように映っているでしょうか。先ほど「商品の品質に不具合が発生した時の対処方法が誠実であった」と言いましたが、合弁事業を始める前、当社が納品する商品に輸送上で発生した不具合があった時、IAI自身でその問題に対応してくれるなど、顧客や品質に対する考え方がしっかりしている会社でした。更に合弁事業を一緒に行う過程で、当社を含む日系企業の顧客に対する考え方を理解してもらったと思います。その結果、顧客先から工程の不具合を指摘されたような場合でも、一定の期間内にすべて改善されており、日本の自動車メーカーからも彼らの改善への取り組みについて高い評価を得ています。これはTIRの工場をIAIの近くに建設できたため、何か不具合があれば対面して話すことができるのも大きな要因かもしれません。いずれにしても、合弁事業を開始した後も、日々の改善活動などを通じて、品質面、マネジメント面ともに非常に良くなっていることは間違いありません。当社のインド事業は、IAIのみと展開しているのではありませんが、その場合でもパートナーのIAIとは良く話し合い、相互にとってプラスになることを模索しています。今後もこれまで築いてきた信頼関係を維持強化し、インドでの事業を発展させていきたいと思っています。――本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。左から中島幸生氏(人材開発部担当次長)、山田純一氏(国際事業推進部長)、清水直樹氏(広報部兼経理部IR室)Ajay Paliwal氏(現在Quality/Engineering部長)1997年度南アジア同窓会連合品質経営研修コースに参加HIDAの管理研修では、自動車、衛生陶器、鉄鋼等の様々な業種の工場へ実際に訪問し、日本企業の品質管理への取り組み事例を見聞できたことが最も参考になりました。関西研修センターのスタッフはフレンドリーで、今でも受付のスタッフや通訳者を覚えています。研修センターの食堂で食べたインド料理は本当に美味しく、快適な研修生活を送ることができました。Arvind Kumar Agrawall氏(現在IAI工場長)2003年度全社的問題解決研修コースに参加HIDAの管理研修で学んだことをベースとして工場全体のレイアウト改善に取り組んだ結果、見違えるような姿に変わり、生産性の面で大きな成果を得ることができました。また、日本滞在中に見聞した日本人の規律正しさや仕事へ取り組む姿勢に大きな感銘を受けました。機会があれば、もう一度日本での研修に参加し、知識をブラッシュアップさせたいです。Ajay Paliwal氏Arvind Kumar Agrawall氏Lamba氏に続き、HIDAの研修に参加した幹部の方々の声インドで事業展開する東海ゴム工業株式会社
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