HIDA JOURNAL 2014 SPRING No.4
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No.4 SPRING 2014 3ことです。営業の活動状況を報告する会議が毎週開かれ、会長や社長が必ず出席します。このような取り組みをすでに30年続けています。経営トップが自ら、営業マン一人一人の行動をチェックしているわけです。これが大きいと思います。営業は最前線ですので、お客様の動向も良く分かります。3つ目の要因は、製造現場での取り組みです。製造現場では、創意工夫の提案を一人毎月10件挙げることをノルマに課しています。これまで実績で月に一人平均11件から12件の提案が挙ってきています。また、QCサークル活動として、年2回テーマを設定し、テーマ解決に向けて、部署毎に発表を行っています。この発表にも会長、社長が出席しチェックしています。これらの活動を継続していることがベースになっています。最後に、当社の特徴と言えるかもしれませんが、工場見学です。工場見学をお願いされる頻度も年々増えており、今期も100件程依頼を受けました。工場見学後に、新規に当社のお得意様になられるような場合もあり、お客様の数は増えております。HIDAからも毎年、管理研修コースのプログラムで海外からのお客様を連れて当社へ見学に来られていますね。きっかけは、東京理科大学名誉教授の狩野先生のご紹介でしたが、当社では、工場見学の依頼があった場合、一切お断りしません。同業他社からの依頼であっても工場内を見学していただいています。多くのお客様に工場見学に来ていただけて、ありがたいと思っています。工場内の作業者にとっても、お客様から見られるということで刺激にもなり、良い職場をつくることで評価されるという良い循環を生んでいます。御社は多くの関連会社を持っていますが、事業の特徴を教えてください。当社は、愛知県内に3か所の工場を持つ他、生産ネットワークとして複数の関連会社を保有しています。主なところでは、圧造用金型や転造用平ダイスを製造する㈱マツシロツールや、水系・クロムフリー表面処理剤のジオメット®の販売を行っているMCシステムズ㈱、金属部品の防錆処理加工(ジオメット加工)メーカーなどがあります。これらの生産ネットワークを保有することにより、金型の内製を可能にし、冷間鍛造からねじ転造、熱処理及び表面処理までの社内一貫生産を確立しました。また、強い防錆力をもつジオメットや締め付け力を安定させるトルカーシリーズなどの特殊表面処理技術を持っていることも当社の特徴です。一貫生産をすることで、ボルトの機能条件や設計変更に関するお客様の要求に対して1つの窓口で対応することが可能となり、表面処理加工の品質管理を自社で行うことで、お客様の当社に対する信頼度が違ってきます。御社は1990年代前半から欧米や中国に生産工場を設立していますが、今回は初めて東南アジアに進出することになりますね?はい。1990年代の早くからアメリカ、中国に生産工場を設立し、ボルトの現地生産を開始してきました。しかし、東南アジアでの生産工場建設は、今回のインドネシア進出が初めてとなります。インドネシアは、自動車産業の急成長が見込まれる国ですし、まだ日系のボルトメーカーが進出していないと聞いています。2013年11月現在、生産準備中で、多くの日本人技術者が新工場立ち上げのために現地に赴き、技術指導に当たっています。日本で研修を受けた7名のインドネシア人技術者がすでに帰国しており、日本人の監督の元、日本で学んだ知識をワーカーに指導しているところです。グローバル化が加速する中、海外工場でも変化のスピードについていくことが大切です。当社には、海外勤務を経験した社員が多くいます。日本に帰国してどう感じるかを聞くと、彼らは一様に、「日本は変化のスピードが非常に早い。」と言います。分かりやすい例で言いますと、「海外にいると、現地は各駅停車の汽車のようなものだが、日本のメイドーに帰ってくると、新幹線ののぞみか、飛行機並み」だそうです。それくらい日本のメイドーは変化のスピードが速いということです。それを身をもって感じることができるからこそ、目標に向かって改善しようとする改革のエネルギーとなり、そのエネルギーが変化のスピードをさらに後押ししているのだと考えます。日本のメイドーで改善した内容を、ドイツ、アメリカ、中国、インドネシアの工場へもスピードを上げて水平展開することが必要で、そのためには教育が必要だと思っています。主要製品(高強度ボルト・ナット)(太物・長物ボルト)

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