HIDA JOURNAL 2014 SPRING No.4
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24 HIDA JOURNAL(公財)宮城県国際化協会からフィリピン台風被害に対する義援金贈呈として、当時宮城県を支援いただいたフィリピン同窓会を通じて義援金を被災地のために役立ててほしいという申し出をいただき、現地への寄付が実現しました。東日本大震災の復興支援に対する恩返しとも思われるMIAの活動に対して敬意を表するとともに、被災地の皆様の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。インドネシア及びフィリピンの看護師・介護福祉士候補者の6ヵ月研修無事終了HIDAでは、経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)に基づきインドネシア及びフィリピンから来日する看護師・介護福祉士候補者に対し、来日後6ヵ月間の日本語等研修を2008年度より継続的に実施しています。看護師・介護福祉士候補者は来日後、協定で定められた6ヵ月間の日本語等研修を履修*し、その後看護師候補者は病院等で就労・研修をしながら3年の滞在期間中に3回国家試験を受験する機会があり、介護福祉士候補者は介護施設等で約3年半の就労・研修後に1回国家試験を受験する機会があります。介護福祉士候補者は国家試験受験資格として「実務経験3年以上」の要件があるため、国家試験受験の機会は1回のみとなっています**。* 2011年度来日候補者より、来日前に3~6ヵ月の日本語研修を現地で履修後来日することになっています。**2011年度までに来日したインドネシア人看護師・介護福祉士候補者及び2012年度までに来日したフィリピン人看護師・介護福祉士候補者は、一定の条件を元に1年間の滞在延長が認められています。2013年度はインドネシアから155名(看護師候補者48名、介護福祉士候補者107名)、フィリピンから81名(介護福祉士候補者)の候補者を受け入れ、研修を実施しました。HIDAが実施している来日後6ヵ月の研修は、次の3つの目標を掲げ、一般的な日本語や看護・介護の専門日本語、日本の社会文化や職場へ適応するための知識、職場へ移動してから自律的に学習できる能力を獲得・養成するカリキュラム内容になっています。(1)地域社会で生活できる十分な日本語運用力・生活適応力の獲得(2)職場で即戦力として就労できる十分な日本語運用力・職場適応力の獲得(3)職場および地域社会における自律学習能力の養成研修はHIDAの研修センター等にて合宿形式で実施されます。6ヵ月間という長期にわたる研修は大変厳しいものですが、座学による講義だけではなく、演習、ディスカッション、発表、防災センターや医療関係施設等への見学、近隣小学校との交流、候補者自身による企画型カリキュラムなど様々な方法を取り入れ、効率的に日本語の基礎力や運用能力、日本での生活や就労に必要となる知識を学べるよう工夫がなされています。日々の生活では様々なことが起こりますが、お互いに助け合い、結束も強くなるようです。今回の候補者の方々は、看護・介護において必要となる人を思いやる気持ちや年配者を敬う気持ち、またその気持ちを自然と行動に移すことが出来る人が多いように感じられます。来日後6ヵ月の研修を終了した候補者は、全国各地の病院や介護施設等へと移動しましたが、就労・研修先での評判は上々のようです。[事業推進部 事業受託1グループ長 小美野顕宏]日本語の授業(フィリピン)ゴミ分別の講義(インドネシア)HIDA NEWS(公財)宮城県国際化協会(MIA)は、昨年11月に発生した台風30号(フィリピン名:Yolanda)*により甚大な被害を受けたフィリピンに対して、宮城県下の国際活動団体や個人等に広く義援金を呼びかけ、この度HIDA-AOTSフィリピン同窓会(以下、フィリピン同窓会)を通じて、2014年2月17日にフィリピン赤十字社に約140万円を贈呈しました。MIAとフィリピン同窓会とのご縁は、2011年3月に発生した東日本大震災復興支援のための義援金(総額4000米ドル)を、在日フィリピン大使館のご紹介により宮城県でのフィリピンコミニュティ等への支援の状況をお聞きして、フィリピン同窓会が2011年8月にMIAへ届けたことに始まります。この度MIAより、フィリピンを襲った台風被害の復興の一助*台風30号は、観測史上例を見ない勢力となってフィリピン中部のサマール島に上陸、レイテ島、パナイ島、ヴィサヤ諸島を横断して南シナ海へ抜けました。フィリピン国家災害リスク削減委員会によると、2014年1月7日までの集計で被災者数1,600万人以上、家屋114万戸余が倒壊などの被害を受けたと発表されています。義援金の贈呈式(マニラ)

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