HIDA JOURNAL 2014 SPRING No.4
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20 HIDA JOURNALHIDAは2013年11月22日にインドネシア・ジャカルタにおいて、インドネシアと日本の外交関係樹立55周年を記念し、「インドネシア産業人材の育成に向けたインドネシア・日本の協力のあり方」と題したシンポジウムをインドネシア・日本友好協会(PPIJ)との共催で開催しました。当日会場には、両国の産業界や教育界を中心に約120名がお集まりくださり、フロアも巻き込んで大変熱心な意見交換が行われました。本稿ではそのシンポジウムの背景と当日の模様をご紹介します。ASEAN諸国で最大の人口を持つインドネシアは、好調な内需と豊富な資源を背景に、近年、4~6%の安定成長を維持しており、日本企業は自動車、二輪車分野を中心にインドネシア進出が積極的に行われています。インドネシアでは産業界が求める高度な技術知識、スキル、マネジメント力を持つ産業人材の需要が急増する一方で、教育機関や職業訓練機関等で育成される産業人材が量的にも質的にも供給不足が顕著になっています。このような状況を踏まえ、本シンポジウムではインドネシアの産業競争力の強化に求められる産業人材の人材像を明らかにするとともに、産業人材育成における産学官連携によるサステイナブルな施策や仕組み、執行機関の役割と協力のあり方について、両国の企業、教育機関、産業団体等のオピニオンリーダーによるディスカッションを行い、今後の方向性について検討しました。シンポジウムの当日は、金子和夫HIDA理事長及びギナンジャール・カルタサスミタPPIJ会長の主催挨拶から始まり、鹿取克章在インドネシア日本国大使館特命全権大使、ロビー・カンベイHIDA-AOTSジャカルタ同窓会事務局長からの来賓挨拶をいただきました。基調講演の部アレックス・レトラウブン工業副大臣より「産業発展における人材育成の重要性」、野波雅裕ジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)副理事長(PT. Toyota Motor Manufacturing Indonesia〈TMMIN〉代表取締役社長)より、「日本企業が求める人材像・人材育成事例」と題した基調講演が行われました。アレックス工業副大臣の講演骨子「インドネシアの発展において、日本は多大な貢献を続けてくれた。今日、インドネシアが工業国になるための産業の種を日本が作ってくれたと評価している。インドネシアは今後、ますます産業が強化されていくと確信しており、政府においても産業に関わる法律の整備を進めていくつもりである。人材育成においては、HIDAの協力が得られれば、産業人材の問題を克服できると信じている」野波JJC副理事長/TMMIN代表取締役社長の講演骨子「インドネシアは世界で5番目に大きな市場であり、今後更なる成長のポテンシャルを持っていることから、大変重要なマーケットである。企業の人材育成については、特に現場リーダー層の蓄積が十分でない状況であり、インドネシアの産業発展にはこうした人材層の早期育成が不可欠である。今後、インドネシアにおいては、高校生などの若い人材に対して、5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)インドネシア・日本外交関係樹立55周年記念シンポジウムを開催「インドネシア産業人材の育成に向けたインドネシア・日本の協力のあり方」金子HIDA理事長ギナンジャールPPIJ会長鹿取インドネシア日本国大使館特命全権大使カンベイHIDA-AOTSジャカルタ同窓会事務局長アレックス工業副大臣野波JJC副理事長/TMMIN代表取締役社長

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