HIDAジャーナル 2013 SPRING
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HIDAジャーナル No. 2 ● SPRING 20136 HIDAでは、制度をご利用いただいた企業を訪ね、その成果について調査を行っています。今回もこのうち3社の事例をご紹介します。 最初にご紹介するのは、DENSO MANUFACTURING VIETNAM CO., LTD. (DMVN)です。DMVN社は株式会社デンソーのグループ企業で、ベトナム・ハノイ市のタンロン工業団地内にあります。同社は高品質で低価格な商品を実現するため、設立当初から人材育成に熱心で、毎年数人ずつAOTS(現HIDA)の制度を利用して幹部候補社員を日本に派遣して研修を行っています。 そこで、今回は生産技術部長の一樂弘州様に同社の人材育成に対する考え方について伺うとともに、昨年度の研修に参加されたグエン・チュン・フアンさんには日本で学んだことについて伺いました。[取材日:2012年12月18日]研修制度の事例(研修生派遣企業)DENSO MANUFACTURING VIETNAM CO., LTD.初めに、御社の概要について教えてください。当社は株式会社デンソー(本社・愛知県刈谷市)が95%出資する自動車部品製造会社で、2001年10月に設立されました。当社が通常の現地法人と異なるのは、輸出加工企業(EPE)として登録していることで、設立当初から世界中に製品を供給することを目的にしています。従業員は派遣社員を含めて約2,200人で、このうち日本からの出向者が18人います。それでは、ベトナム国内向けの販売ではなく、海外への輸出を目的としているのですね。当社は「世界で勝てるものづくり」をスローガンに掲げ、高品質で低価格の製品を世界中に提供することを目指しています。従って、ベトナム国内や日本も含め世界中を相手にした仕事をしています。その競争相手にはデンソーグループの他の海外拠点も含まれています。そして、この結果「ベトナムの国の発展に貢献する」ことが当社の使命だと考えています。世界で勝つために、どのような工夫をされているのでしょうか。デンソーには創業以来代々受け継がれてきた「ものづくり」の基本的な価値観というものがあり、それを私たちは『デンソースピリット』と呼んでいます。この価値観を愚直に行動まで落とし込むことが私たちの仕事に対する基本姿勢であり、日本、海外を問わずこの価値観に基づいた行動を求められています。世界で勝つための方法というのは、特別新しいこと、革新的なことを開発するだけが全てではなく、いかに小さいことでもこだわりをもつことや、愚直に改善を行うなどといった日頃の小さな成果の積み重ねも非常に重要だと考えています。しかし、こういった「あたりまえのこと」を「あたりまえに行う」ことが非常に難しいことでもあり、そういった意味でも世界で今後戦っていくには人材育成が一番重要であると考えています。デンソーグループは人材育成に特に熱心なようですが、御社もやはりそうですか。その通りです。極端な言い方をすれば、私達日本人駐在員は人材育成のために赴任しているようなものです。とにかく『デンソースピリット』を理解したベトナム人社員を一人でも多く作ることが大切なのです。そのためには、社員に対する日本語の教育が非常に重要であると考えています。日本語の能力が向上することで、日本側の本隊にいる日本人社員とダイレクトにコミュニケーションを取りながらプロジェクトを推進することが可能になります。こうしたダイレクトコミュニケーションが可能になると、業務のスピードアップに繋がるだけではなく、社員のブラッシュアップが図れるのです。【DENSO MANUFACTURING VIETNAM CO., LTD.】所 在 地: ベトナム・ハノイ市(タンロン工業団地)設 立: 2001年10月資 本 金: 3,540万ドル従 業 員: 2,200人(2012年11月30日現在)事業内容: 自動車部品の製造一樂部長とフアンさん制度利用事例
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