HIDAジャーナル 2013 SPRING
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5HIDAジャーナル No. 2 ● SPRING 2013専門家派遣 海外進出した企業の多くが直面するもう一つの課題が生産体制や管理体制の最適化(現地化)です。国際的に競争が激化していることに伴い、現地法人においても生産性や品質の向上が厳しく求められる一方、気候風土や文化・慣習、コストの比重の違いや宗教等の影響により、日本のやり方をそのまま適用することが困難な場合や、期待された効果が上がらない場合があるからです。 このような課題を解決するには、日本の体制をベースにして現地に適した体制をアレンジしなければなりません。すなわち、現地の状況に合わせて効率的な体制を構築すると同時に現地従業員のモチベーション向上を図る必要があるのです。 その際に有効なのがHIDAの「専門家派遣」制度です。この制度では、日本から派遣された専門家が現地の問題・課題を直接目にするため、具体的にポイントを絞った指導を行うことができるだけでなく、日本との違いが生じる要因にもなっている気候風土や文化・慣習を専門家が肌で感じることで、より適切なアレンジが可能になります。そして、何より現地従業員とコミュニケーションを取ることで、彼らのモチベーションにも配慮することができるのです。 HIDAでは、今後も日系企業の競争力を強化すべく、現地化の促進をサポートしていきます。日 本日本企業(専門家派遣企業)QCDの改善等現地化の促進開発途上国等の企業(専門家受入企業)出資先・取引先日本企業の専門家HIDA現 地現地企業でのOJTによる技術指導管理体制の強化プの一員としてだいぶ成長したという印象です。今後はインドネシアの工場でリーダーとして責任を果たしてもらえるものと期待しています。ちなみに、私がAOTSの研修制度を知ったのは20年も前のことです。当時私が所属していた高尾金属工業株式会社がタイで現地法人を立ち上げた際に、現地社員を日本に呼んで研修しようと考えたことがあり、現地の日系商社から話だけは聞いていたのです。今回そのことを思い出し、あらためてAOTSの研修制度説明会に参加しました。ところが、その際AOTSがタイの洪水被害に対する緊急支援制度を実施していることを知ったのです。当社でもタイの現地法人が被災し、その対応を検討しているところだったので、早速この制度を利用して技術者25人をタイに派遣しました。この時は、AOTSとはつくづくご縁があるなと感じました。なお、2014年にはメキシコへ進出する計画ですので、その際はまたお世話になりたいと考えています。CVT部品車体骨格部品図3 専門家派遣の概要

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