HIDAジャーナル 2013 SPRING
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15HIDAジャーナル No. 2 ● SPRING 20132012年11月15日と16日の2日間、フィリピンのマニラにおいて第10回AOTS同窓会東南アジア地域連合(略称:FOSAAS)の会議が執り行われました。FOSAASは東南アジアの8カ国(カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の13同窓会が加盟するAOTS同窓会の地域連合で、今回の会議はフィリピン同窓会が幹事を務めました。東南アジアは日本からの投資が特に多い地域なので、帰国研修生が多いことに加え、各国のAOTS同窓会が管理研修や海外研修の協力機関としてHIDAと連携することも多いことが特徴の一つです。今回の会議では「Working towards One ASEAN Community “Challenges & Opportunities”」をテーマに掲げ、主に2015年のASEAN経済共同体(AEC)発足に向け、人材育成分野における域内同窓会間の協力についての講演や意見交換を行いました。また、ビジネス面・文化面での交流を活発化させることを確認しました。また、次回幹事には、長年続いた経済制裁が全面的に解除され、有望な海外進出先として世界から注目を集めているミャンマー同窓会が選ばれました。今後、同国の経済成長に欠かせない産業人材育成の分野において、ミャンマー同窓会の活躍が期待されます。ただ、ミャンマー同窓会は今年新会長を迎え、再スタートを切ったばかりのため、FOSAASが一丸となってミャンマー同窓会をサポートしていくことで一致しました。ところで、今回はFOSAASの働きかけにより、インド・ケララ同窓会からもオブザーバーとして代表が参加しました。また、11月17日開催のWNF運営委員会(※)のためにマニラに集結したWNF運営委員とFOSAAS代表が交流する場も設定されました。HIDAとしては、こうしたFOSAASの取り組みが他の地域連合にも波及するだけでなく、地域を超えた同窓会間の交流が活発化することを期待しています。※ WNF運営委員会:同窓会同士による南南協力活動であるWNFプログラムの実施方針とその活動基金であるWNF基金の運営方針について検討する委員会で、各地域連合の代表者1名ずつから組織される。開会式(マニラ市内のホテル)2012年11月21日、HIDA関西研修センター(略称:KKC)にて、管理研修コースの参加者と日本の企業・団体とのビジネス交流会が行われました。これは、「アジア産業排水処理・施設管理研修コース(略称:PAWW)」の実施に合わせて大阪・アジア地域プロモーション事業推進協議会(大阪府・大阪市・大阪商工会議所・大阪産業振興機構・大阪国際経済振興センター)とKKCが共同で主催したもので、排水処理技術を中心とする交流会でした。参加者はPAWWの研修生として来日したアジア6カ国(インドネシア、ベトナム、スリランカ、タイ、ネパール、バングラデシュ)の産業排水処理に携わる企業・公社等の責任者24人と、優れた水関連技術を有する在阪企業・団体の関係者52人で、アジアの企業が抱える問題・課題の解決に必要な技術についての意見交換とビジネス交流を行いました。PAWWの研修生には事前に自社が抱える問題・課題に関するレポートを提出していただいていたので、日本側も具体的なニーズ/シーズに適う方々が集まり、会場は大変な熱気に溢れました。そして、のべ104件もの個別交流が行われ、研修生にとっては貴重な情報収集の場に、日本の企業にとってはビジネス展開の足がかりになったようです。この中から実際のビジネスに発展するケースが創出されることを期待しつつ、主催者一同が協力して的確なフォローを行っていきたいと考えています。HIDAでは、このように地元自治体や経済界の皆様のご協力をいただきながら、人材育成の場をビジネス機会創出の契機として有効に活用する取組みをさらに広げていきたいと考えています。 水ビジネス交流会(大阪) AOTS同窓会東南アジア地域連合会議排水処理技術を中心としたビジネス交流会 (HIDA関西研修センター)

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