HIDAジャーナル 2013 SPRING
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HIDAジャーナル No. 2 ● SPRING 201310 最後にご紹介するのは、VINA KYOEI STEEL CO., LTD. (VKS)です。VKS社は共英製鋼株式会社、三井物産株式会社、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社、ベトナム鉄鋼公社の合弁会社で、本社および工場はホーチミン市の南東約80kmのバリアブンタウ省・フーミ工業団地にあります。 同社は1994年の設立当初からパイオニアとしてリスクをとり、ベトナムの鉄鋼需要拡大の初期段階に最新鋭設備を導入しました。同時に高品質の棒鋼・線材製品を供給するため、設立から工場が稼働するまでの間と、その後技術のレベルアップを図った時期に従業員を数十人規模で日本に派遣し、このうちのほとんどがAOTS(現HIDA)の制度を利用しました。 昨年11月、このうちのお二人が日本で行われたHIDAの管理研修コースに参加されたことをきっかけに、同社を訪問し、人材育成に関するお考えを副社長の鳴海修様に伺いました。また、合わせてこのお二人にも日本での研修の成果について伺いました。[取材日:2012年12月20日]研修制度の事例(研修生派遣企業)VINA KYOEI STEEL CO., LTD.初めに、御社の概要について教えてください。当社は共英製鋼株式会社(本社・大阪市)と三井物産株式会社、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社、ベトナム鉄鋼公社との合弁企業で、主に鉄筋コンクリート用の棒鋼を製造・販売しています。販売先は95%がローカル企業を中心としたベトナム国内です。設立当初から日本の最新鋭の設備を導入するとともに、技術者や作業員に日本の優れた操業技術を習得してもらい、高品質の製品を製造・販売してきました。この結果、おかげさまでベトナムにおいてVKSの名前は広く知られております。会社を立ち上げた際、従業員教育にAOTS(現HIDA)の制度をご利用いただいたのですね。はい。当社は1994年1月に設立し、1996年1月に工場が稼働したのですが、この間に技術者と作業員合わせて33人を約半年間日本に派遣し、操業技術を習得させました。この際、日本人とのコミュニケーションの必要性も勘案し、AOTSの制度を利用しました。また、その後2001年から2002年にかけて、技術レベルを継続して向上してもらうために総勢40人を日本に派遣したのですが、その際にも利用させていただきました。やはり、技術を習得するためには日本に行くことが必要でしょうか。無論、ベトナムにまだ導入されていない技術を学ぶためには日本に行くしかありませんが、そうでなくても技術の土台となっているものづくりの考え方まで理解するには日本に行く必要があると思います。私はよく“知っている(認識している)”と“分かっている(理解している)”とは違うという話をするのですが、“分かっている”レベルになってもらうには日本に行って何故そのように考えるかを理解する必要があると思います。付け加えると、そのさらに上に“教えられる”レベルがあります。ところで、今回アンさんとレさんをHIDAの管理研修に参加させたのは何故ですか。それぞれの担当業務に関するテーマだったこともありますが、二人には日本のものづくりの考え方の本質を分かってもらう目的で参加してもらいました。彼らは立ち上げの段階で基礎を学び、その後のフォローアップ教育も受けていますが、それから既に10年以上が経過しています。教育【VINA KYOEI STEEL CO., LTD.】本 社: ベトナム・バリアブンタウ省 (フーミ工業団地)設 立: 1994年1月資 本 金: 2,000万ドル従業員数: 254人(2012年12月31日現在)事業内容: 建築用鋼材(棒鋼・線材)の製造・販売左から鳴海副社長、アンさん、レさん制度利用事例同社の製品

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