HIDAジャーナル 2012 AUTUMN
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5HIDAジャーナル No. 1 ● AUTUMN 2012私は2010年6月から12月までの半年間、主にダイキン工業のモノづくりの考え方と設備の保全技術の習得のため、他の同僚4人と共に日本での研修に参加しました。前半の3カ月間はAOTS(現HIDA)関西研修センターでの一般研修(導入研修)で、日本語や日本の文化・社会について学びました。日本に行く前の私は単語を並べるくらいの日本語しか話せなかったので、最初は人前で日本語を喋るのをとても恥ずかしく感じました。しかし、同じクラスのタイ人やインド人の研修生が間違った日本語でも平気で喋るのを聞いているうち、だんだん日本語を喋ることが苦にならなくなりました。また、テレビも日本語の勉強に役立ちました。主にスポーツやニュースを見ていたのですが、嫌でも日本語をたくさん聞くことになり、結果的に耳の訓練になったのです。おかげで、かなり日本語が聞き取れるようになりました。後半の3カ月は、滋賀工場(滋賀県・草津市)と臨海工場(大阪府・堺市)でダイキン工業のモノづくりの考え方を学びました。もちろん、細かい知識や技術もたくさん学びましたが、タイにいた時は分からなかった日本人とタイ人のモノづくりに対する考え方の違いがよく分かりました。そして、帰国後に工場内を見渡してみると、改善すべき点をたくさん見つけられるようになっていました。半年間の研修で、これほどの成果が出るとは思ってもみなかったので、本当に驚きました。さて、私は今年の5月から生産管理マネージャーになり、日本人の幹部とも話し合いをするようになりました。今直面している課題はDCI独自の生産管理システムを作り上げることです。と言っても、コンプレッサーの部品は70種類程度なので、全く新しいシステムを構築するのではなく、汎用システムのアレンジになると思いますが、私にとっては大変大きな仕事です。それから、日本人の考え方や改善のヒントについては、タイ人の従業員みんなに教えていきたいと思っています。そうすることで、この会社はもっと良くなります。仲間たちと一緒に頑張れるということは、タイ人にとっても大切なことなのです。一方、私の日本語はまだ日本人の幹部と十分にコミュニケーションを取れるレベルではないので、もっと日本語を勉強したいです。今は毎日一文ずつ覚えるようにしていますが、まだまだ道は遠いようです。でも、まだ私は若いので、DCIをさらに成長させるために頑張ります。せてくれる良い機会になります。無論、日本語もできるに越したことはありませんが、僅か3カ月で1つの言語を習得するのは困難ですし、簡単な会話ができれば十分です。それよりも、経営サイドの日本人の考え方が理解できるようになることを重要視しています。ですから、当社では毎回約半年間の研修期間のうち、約半分がHIDAの研修センターで行われる一般研修となっています。短期的にはコストがかかるように見えますが、日本人の考え方を理解するためには日本に行くのが一番ですし、幹部に育ってくれればこの投資は十分回収できます。人材育成面で他にも何か工夫されていることはありますか。直接的な人材育成ではないかも知れませんが、社員とのコミュニケーションを図るために幾つか工夫をしています。例えば、部門毎に毎月1回社長との改善ミーティングを行っていて、ここにはオペレーターから技術者までの全従業員が参加し、各自が意見を述べることもできます。上から押し付けるのではなく、従業員にも考える機会を与えることで、彼らの意識が変わってきているのではないでしょうか。一方、月に2回従業員の誕生日会を開催し、社員間の親睦も図っています。これが功を奏しているのかは分かりませんが、当社では1,500人近い正社員の離職率が毎年1%未満です。せっかく育てた人材を失うことは企業にとって大きな痛手ですので、効率だけでなく働く意欲を持ってもらえる工夫も続けていきたいと思います。効率だけでなく従業員の意欲も考慮した御社の人材育成は大変勉強になりました。ありがとうございました。工場内の様子コストダウンの推移改善の事例(二枚刃から四枚刃への変更)帰国研修生の声 生産管理マネージャー Sanya MaiduangさんVOICE

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