HIDAジャーナル 2012 AUTUMN

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13HIDAジャーナル No. 1 ● AUTUMN 2012当社はアユタヤの北にあるサハラタナナコン工業団地にあります。ここは昨年の大洪水で最初に浸水被害が出た工業団地で、当社工場も約2カ月間水に浸かりました。この辺りでは周囲の田んぼが水に浸かる程度の洪水自体は毎年のように発生していましたが、今回は水深3mに達し、1階部分は完全に水没しました。このため、機械等に大きな被害が発生しました。通常であれば、これだけの被害からの復旧には数カ月を要するのでしょうが、当社にはどうしても復旧を急がなくてはならない事情がありました。というのも、日本ではカーテンレールの需要が2月から3月にかけての家の新築時期にピークを迎えるからです。自然災害とは言え、ここで立ち止まるとお客様を大量に失いかねません。そこで、当社はリスクを覚悟で損害保険会社の査定を待たず、新しい機械の購入に踏み切りました。そして、1月下旬には生産再開に漕ぎつけたのです。もっとも、ここまで早く生産を再開できたのは、本社からの資金援助をはじめ、日本とタイの関係先からさまざまな協力があってのことです。特に、タイ人の工場長のネットワークには相当助けられました。本当に感謝しています。こうして、3月には被災前の90%程度にまで生産量を回復させることができたのです。ちなみに、現時点でまだ保険の査定を待っている状況ですが、生産への影響はごく一部に限られています。ところで、洪水の被害からいち早く復旧できたことで、現在は以前からの課題であった競争力強化のための人材育成に着手しています。この業界でも価格競争が激化しており、新製品の開発コスト削減が重要課題となっているからです。今回はHIDAの専門家派遣制度を利用して、カーテンレール等の設計ができる人材を養成する予定です。また、合わせて専門家による生産管理システムや品質管理システムの見直しも行い、生産性の向上とコスト削減を図ります。今回の洪水では大きな損害を被りましたが、皆様のおかげで前に進むことができ感謝しております。ありがとうございました。保険の査定を待つ機械被災前とほとんど変わらないほど復旧した工場内上村社長(左)と専門家として派遣された村上氏サハラタナナコン工業団地THAI HIDAKA CO., LTD.社長 上村 貴志様【THAI HIDAKA CO., LTD.】所在地: タイ・アユタヤ県(サハラタナナコン工業団地)設 立: 1991年 4月資本金: 1,500万バーツ従業員数: 32名(2012年7月末現在)事業内容: カーテンレール、ピクチャーレール等の製造・ 販売バンコク近郊の主な工業団地(×印が洪水被害を受けた団地)

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